ダイダン 産業系工事で業績が躍進 建物に「いのち」を吹き込み快適に

設備工事業のダイダンは、空調や給排水衛生、電気の設備工事などによる「空間価値の提供」を通じて、人々の快適な活動や企業の良質な生産活動をサポート。昨年度は過去最高益を達成し、長期ビジョンの最終年度である2030年度までに連結売上高3000億円を達成すべく中期経営計画を進めている。

山中 康宏(ダイダン 代表取締役社長)

1903年創業、日本武道館や
最高裁などの設備工事で貢献

ダイダンは1903年、工業生産に必要な各種機械や電気器具、鉄材等の販売を目的とする「菅谷商店」として大阪市で創業。その後、まもなく暖房工事や電気工事の分野にも進出した。1965年には社名を「大阪電気暖房」に変更し、1987年には、それまで略称として親しまれていた「ダイダン」を社名にした。

「建物は空気がめぐり、水が流れ、明かりが灯ることではじめて機能し生きてきます。当社はこれまで建設業の中の空調、給排水衛生、電気の設備工事業を専業として、数多くの建物の「いのち」をつくってまいりました。目に見えないところで人々が快適に活動するために「設備をコントロール」します。天井や壁の中にある電線や水のパイプ、風が通るダクトなどを設計施工するため、『目立たないことが誇りです』をキャッチコピーとして使っています」。

ダイダン代表取締役社長の山中康宏氏は、こう語る。122年の歴史では、国内外で数々の建築設備に貢献してきた。その中には、1964年竣工の日本武道館や1974年竣工の最高裁判所庁舎などが含まれる。最近ではSMFLみらいパートナーズなどと協業で、大阪・関西万博の空調用の熱供給事業も手掛けた。一方、近年の受注で約60%を占めるのが、研究所やデータセンター、半導体工場、EV(電気自動車)電池工場など産業系の工事だ。その背景には、従来から培ってきた技術を活かしつつ、2000年頃に行った方針転換がある。

「2000年頃は不景気が続き、新築工事を中心とした受注で業績を向上させていくのは難しいと考えました。そこで将来的に工場の生産ラインの変更や改修工事の増加を予測し、産業系の受注に注力しました。その後4半世紀にわたってこれを続けた結果、2024年度の売上高は2627億円、営業利益は230億円と過去最高となりました」。

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