伝統を極め、革新を生み出す 豆腐の美味しさを追求、持続可能に
日本の豆腐業界でトップの売上高を誇り、数々のヒット商品を世に送りだしてきた相模屋食料。日本の伝統食である豆腐の美味しさを深く追求することで、新しい豆腐の世界を切り拓いてきた。「伝統は革新の連続」と話す鳥越淳司社長に、豆腐事業の未来を聞く。
鳥越 淳司(相模屋食料 代表取締役社長)
誰もが知る豆腐の
潜在的なポテンシャルに光を
1951年、群馬県前橋市で豆腐店が創業した。戦後の食糧不足の中、日常の栄養源となる豆腐の製造・販売に着目したのだ。これが相模屋食料の始まりとなった。日本の経済成長の中で企業化し、工場での生産を開始、規模を拡大していったが、大きく飛躍したのは2007年に鳥越淳司氏が社長に就任した後。2009年には業界初の売上100億円を突破、その後も右肩上がりに成長し、現在では売上400億円を超えるリーディングカンパニーとして、業界全体の発展に取り組んでいる。
「創業以来、日本の伝統食である美味しい豆腐を守り抜いて未来を創るというコンセプトで、木綿や絹、油揚げや厚揚げなど、豆腐類を徹底的に追求してきました」。
日本で千年以上の歴史を持つ豆腐。生活に深く根付いているがゆえに、誰もが知っていて誰もが食べたことがある食材だ。日常食として、ふと見ればいつもそばにいる豆腐の奥深さ、面白さ、潜在的なポテンシャルに鳥越氏は惹かれたという。
社長就任後は様々な商品開発に取り組み、例えばこれまで主に煮物に用いられてきた厚揚げの調理法を変えた「焼いておいしい絹厚揚げ」は、食材の概念を大きく変えるヒット商品となった。ほか、レンジで温めるだけで簡単に美味しいとうふ鍋が食べられる「ひとり鍋」シリーズ、「とうふグラタン」、「とうふスープ」と、次々と開発される革新的な新商品の根底には、創業から変わらず追求してきた、豆腐の美味しさへのこだわりがある。
「我々はモノづくりの会社ですので、プロダクトアウト。豆腐として美味しいことが、一番のPRになると思っています」と鳥越氏は話す。
その1つが「ひとり鍋」シリーズ。現在売上40億円を超える基幹商品になっているが、その土台には、同社が積み重ねてきた伝統的な豆腐づくりの技術がある。しばらくはライバル社から類似商品の投入があったものの、顧客の支持を集めることができなかった。相模屋食料では強固な土台に独創的なアイデアを載せることで、他にはない豆腐の深みと商品の美味しさを実現し、多くのファンを惹きつけている。
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