事業構想セミナーを開催アーティスト思考と事業構想

月刊事業構想編集部
2024年9月号

保存

- Twitter
- Facebook
- LINE
- note
- LinkedIn
- メールで共有

事業構想セミナー
アーティスト思考と事業構想

事業構想大学院大学のカリキュラムは、事業構想サイクルの構成要素「発・着・想」「構想案」「フィールド・リサーチ」「構想計画」「コミュニケーション」に紐づく科目が多様に設けられている。松永エリック・匡史特任教授が担当する「アーティスト思考と構想」は、『アーティスト思考』を頭だけではなく耳から理解し、ビジネスでの活用やイノベーティブな事業構想に展開できる発想法を身につけることを目標に、10代の頃から音楽家、ビジネスコンサルタント、教育者として活動してきたエリック教授の活きた実践知をヒントに事業構想を研究する。

7月20日、東京校とオンラインで開催した事業構想セミナーは、エリック教授が自身の著書『直感・共感・官能のアーティスト思考』から一端を解説する内容で行われた。従来のビジネスでは重視されてこなかった“直感”“共感”“官能”といった感性を新しい価値創造の原点とする、これからの時代に求められるイノベーションの思考法について概説された。セミナーは、絵画や音楽の豊かなイノベーション事例を共有しながら進められ、「音楽に触れてどう感じてどう発展させていくかは皆さん次第。自分と向き合い生み出したコンセプトからビジネスへの応用を考えることが大切。」とアーティスト思考を事業構想に活かす考え方が示された。「大学院で2年次から始まるエリックゼミは徹底的にやりたいことを突き詰めていく。すると顔つきが変わっていく。」と授業やゼミの話題にも触れ、社会人大学院の実際を伝えた。

8月の事業構想セミナーには著書『スマホがなくなる日』を発刊した本学の渡邊信彦教授が登壇する。

新たな発見と気づきが自身の視野を広げる

書籍『直感・共感・官能のアーティスト思考』のエッセンスを紹介する本誌連載

＜現役院生の声＞

地域の一次産業を守るため
事業構想で目指す未来

拝崎麻衣（はいさき・まい）
西海クリエイティブカンパニー
取締役
福岡校6期生（2023年度入学）

長崎県西海市にUターンし家業を営む傍ら「まちをもっと面白くしたい」という思いから複業として地域商社に参画。幅広い事業領域を有する組織で、私は主に一次産業（漁業）の事業者を対象にブランディング等の支援をしています。

現場で得た経験や感覚を棚卸し体系立てて学ぼうと大学院を検討する中、県外で多様な人にもまれることも期待してMPD福岡校に入学しました。周りは経営者や承継者ばかりです。刺激的な環境で、授業で実践的な気づきを得て、即座に仕事で実践できる点は社会人大学院の醍醐味だと感じています。仕事との両立は大変ですが、頑張る価値がある2年間と実感しているので、できる限り校舎へ行ったりフィールドワークに参加するよう意識しています。

現在は水産加工品の商品化を軸に地域の漁業者の所得向上や環境問題にもアプローチできる事業構想を考えており、修了に向けて研究に取り組んでいきます。

博士号の価値を再評価する社会へ

竹尾悠介（たけお・ゆうすけ）
医療法人愛生館
名古屋校6期生（2024年度入学）

「博士号を持っていたら、仕事を紹介したのに」何気ない上長からの言葉に私は後悔の念を抱きました。博士後期課程の就職率の低さから、当時の私は就職の道を選択したためです。博士が安心して生活できる社会を作りたい。40歳を迎えた私はオーバードクター問題に関心を持つようになりました。想いを形にする方法を模索する中、上長より本学を紹介して頂き入学を決意しました。

名古屋校で一緒に勉強する仲間は経歴も年齢も様々です。また、先生方も各分野の第一線で活躍されている方ばかりです。職場では得られない様々な意見を頂けることが本学の魅力だと思っています。実際に私の事業構想を聞いていただいた際も、私一人では思いつかないような意見を頂くことができ視野の広がりを実感しています。

大学院で勉強できる期間はわずか2年間です。2年間で得た知識や視点を活用し、修了後も挑戦を継続したいと思います。