「神話の国」の底力 鍵は「知る人ぞ知る」地域資源力
かつては世界の銀の3分の1を産出していた島根県だが、現代においては人口減少・過疎化と各産業分野の低迷が続いている。しかし、実は、同県には長い歴史に裏打ちされた「知る人ぞ知る」強力な地域資源群があり、今後の地域創生への潜在力は高い。
島根県は、人口66万6598人(2020年11月1日、推計人口)で、総人口は全国第46位。1992年に「社会減」に「自然減」が加わってからは一貫して減少しており、特に、社会基盤整備の遅れた石見・隠岐圏域での減少幅が大きい。
同県の合計特殊出生率は2位(2018)と高いものの、出産年齢の女性の絶対数が少なく、人口千人当たり出生数は今世紀に入り全国平均を下回り続けている。その一方で高齢化率は全国平均を上回る水準で推移している(2018年に3位)。
年齢三区分別で見ると、生産年齢人口割合は53.8%で46位(2018)であり、産業分野を問わず、担い手不足が顕著だ。
1次産業優位の産業構造
産業三区分別の就業者比率は、1次産業8.0%(全国4.0%)で14位、2次産業23.0%(全国25.0%)で33位、3次産業69.0%(全国71.0%)で19位(以上、2015)であり、2次産業は相対的に弱く、1次産業の比率が高い。
実際、同県の2次産業は公共投資依存型の建設業等の比率が高く、製造業は2次3次下請け型あるいは労働集約型の中小企業が主体である。製造品出荷額等(2016年1年間)は44位で、工場立地動向立地件数(2018)も46位に留まっている。
比率の高い1次産業も、農業産出額は42位(2018)に留まり、漁業は海面漁業漁獲量が7位(2017)と上位につけながらも全国的知名度を誇る産品は(海ではなく)宍道湖の「ヤマトシジミ」くらいである。
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