泣声で感情分析も可能に? 海外から高評価、日本発ベビーテック
子どもの健康・安全の確保や、乳幼児の心理状態の把握などの実現を目指すベビーテック。ヘルスケアビジネスとの親和性は高く、大企業発ベンチャーやスタートアップの参入も活発だ。IoTや安心・安全技術に強みを持つ日本企業にとってベビーテックは海外進出のチャンスにもなる。
コロナ禍の影響で、日本の少子化が加速している。日本総合研究所の予測によれば、2020年の出生数は前年比約2%減の84.7万人の見通し。妊娠届出数も大きく下がっており、2021年の出生数はさらに減ると考えられる。
少子化の一方で、ベビー用品・サービスの市場は右肩上がりで成長している。矢野経済研究所によれば2019年の同市場規模は4兆3,000億円となり、過去5年間で35%も増加した。幼児の健康や食の安心・安全への意識の高まりなどが市場成長の背景にある。
図 ベビー用品・関連サービスの市場規模推移
こうした中で、新しいテクノロジージャンルとして「ベビーテック(BabyTech)」が台頭してきた。2016年頃からアメリカで使われだしたキーワードであり、育児や保育をITで変革する製品やサービスを指す。
ベビーテックに関する調査やメディアを行うパパスマイルによれば、ベビーテックの有望なターゲット領域として、「子どもの健康と安全」、「母体と胎児の健康と安全」、「言葉を喋れない赤ちゃんの心の把握」、「育児生活の効率化」、「学びと遊び」といった分野が挙げられる。
午睡の見守りサービス
保育所をまるごとICT化へ
ソフトバンクグループの新規事業提案制度から設立されたベビーテック企業hugmoは、子どもの午睡見守りサービス「hugsafety」を展開。ベビーテックアワード2020でグランプリを獲得するなど注目を集めている。
保育施設における死亡事故の7割は睡眠中に発生しており、保育士は午睡中に5分間隔で子どもの状態を目視でチェックし、手書きでノートに記録している。この業務負担軽減と、保育士の精神的負担を軽減するために開発されたのが、マット型のIoT見守りセンサー「hugsafety」である。午睡中の呼吸や心拍の状態の異変をリアルタイムに検知し、異変があれば保育士のタブレット等にアラートが送られる。
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