高齢化に伴い、医療費の負担が増加する中で発生した新型コロナウイルスによる危機。医療全般の効率化に加え、予防や早期発見・治療の重要性が増している。女性の健康に貢献し、各人が望む人生を選択できるようにする「フェムテック」も注目の新事業だ。
増加を続ける国民医療費
2018年度の国民医療費は43兆3,949億円で前年度比0.8%の増加となっている。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は7.91%、国民所得(NI)に対する比率は10.73%となっている。
年齢階級別にみると、65歳以上の構成割合が60.6%を占める。
人口一人当たりの国民医療費は34万3,200円で前年度に比べ1.0%の増加となった。65歳未満が18万8,300円であるのに対し、65歳以上は73万8,700円で、4倍以上となっている。
人口一人当たりの国民医療費(2018年度)

出典:厚生労働省
電話・オンライン診療の
導入状況
厚生労働省の調査によると、電話や情報通信機器を用いた診療を実施できるとして登録した医療機関数は、2019年10月末時点で全医療機関の15%であった。うち、初診から実施できるとして登録した医療機関数は半数以下の6.3%であった。月によって変動はあるが、オンライン診療に比べて電話診療の件数が2〜3倍多かった。
また欧米や中国に比べると普及率は低い傾向にあるため、さらなる整備が求められる。
「電話や情報通信機器を用いた診療を実施できる」「初診から実施できる」として登録した医療機関数の推移

出典:厚生労働省
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