セイコーエプソンが描く成長戦略 コア技術をベースに新事業創出

コロナ禍の最中にセイコーエプソンの新社長に就任した小川恭範氏。社会、そして経営環境が激変する中で、大胆な改革を進めている。自身のモットーである「楽しく仕事をする」ため、そして、同社を成長に導くためにどのような取り組みを進めているのだろうか。

小川 恭範(セイコーエプソン 代表取締役社長)

産業構造を革新し、
循環型経済の牽引を目指す

――新型コロナウイルスの影響で、経営環境が大きく変わってきたと思います。今年4月に社長に就任されてから想定外の船出だと思いますが、コロナ禍でどのような影響がありましたか?

小川 まず、家庭用のプリンターとインクの需要が一気に増えました。これは、在宅ワークなどの拡大によるもので、業績面でかなり助けられています。プロジェクターやウオッチは、コロナ禍で売り上げがかなり減りましたね。ロボティクスに関しては、中国での経済活動の再開に伴い需要が戻りました。今のところ、去年を上回るぐらいのペースで進んでいます。

――今もまだ想定外の事態が続いていると思いますが、これからの成長戦略を教えてください。

小川 私たちは「Epson 25」という構想を持っています。その中で、精密加工技術を中心とした私たちの技術で、サイバー空間とリアルの世界をつないでいこうと掲げています。確かにコロナによって様々な状況が大きく変化していますが、私たちが目指す方向に関しては変わっていません。

――具体的にはどのような取り組みを計画されていますか?

小川 いろいろな社会課題がありますが、特に地球環境や人々の働く環境を良くしていこうと考えています。そのためにも産業構造を革新し、循環型経済を牽引していこうという目標を持っています。そういう意味では、私たちが捉えていた社会課題が、コロナ禍でより鮮明に炙り出されたと思います。

コア技術をベースに
オープンイノベーションを推進

――第二期の中期経営計画では、高い収益を生み出す事業運営への改革を掲げています。新規事業開発について、どのように考えていますか?

小川 これまで私たちの大きな方針として、技術開発から製品開発、製品設計、製造、営業、お客様に届けるところまで、自社で完結させてきました。しかし、時代も大きく変わっていますし、私たちのコア技術、強みは、私たちだけでは完結できないレベルのポテンシャルがあると考えています。それは非常にもったいないということで、今後はオープンイノベーションで、世の中に役立てていこうと考えています。

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