2020年10月号
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地域で生まれる新産業

新型コロナ渦中から見る 分担統治の道州制から生まれる新産業

江口 克彦(江口オフィス代表取締役)

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大都市部を中心に流行が拡大した新型コロナウイルス感染症だが、緊急事態宣言は全国一律。宣言が解除された後も、国と都道府県では方針の食い違いが見られ、感染拡大が止まらない。コロナ危機は、道州制の導入を再び、真剣に検討するきっかけになりそうだ。

出典:江口克彦監修「地域主権型道州制ー国民への報告書」(PHP研究所、2010年)

 

新型コロナ感染症が猛威をふるっている。肺炎とか、インフルエンザによる死亡者数と比較すれば、それほど、コロナウイルス感染症に神経質になる必要はないという専門家もいる。しかし、そうだとしても、問題はまだ専用のワクチンと治療薬が開発されていないということだろう。

コロナウイルス感染症の影響を受けて、全国の大抵の民間企業は、その機能を停止してしまった。しかし、それでも、必死にこの困難を克服しようと闘っている。ない袖を振ってでも生き残ろうとしている。むしろ、これを機会に、会社の形を変えてみよう、あるいは、仕事のやり方を徹底的に検討し、スリム化し、なんとか、経営を持続させようと、文字通り、死に物狂いで取り組んでいる。

国土を細切れにする時代は
終わった

コロナウイルス感染症対策は東京基準で、また、国の思惑で考えることではないはずである。都道府県を改編し、道州制に改め、広域行政を考えるべきではないか。38万平方キロの国土を47区分にすれば、1区分がまことに狭小過ぎることが分かるだろう。約47区分にしたのは、おおよそ140年前(明治21年)である。300藩を47区分にしたのは、当時の英知であろうが、その区分を今なお維持している弊害は大きい。コロナウイルス感染症対策が、経済的にも行き詰るのは当然である。このコロナ禍を機に、47区分を12区分前後にし、それぞれの区分に、かなりの主体性を持たせる国のかたちにすべきではないか。

道州制は分担統治

しかし、ここで言う道州制は、中央集権的かつ東京一極集中の国のかたちではない。また、時折、日本を分割するのかという人もいるが、「分割統治」ではない。「分担統治」である。「国」と「広域自治体(道州)」と「基礎自治体」の役割を明確にしようということだ。

国は、例えば、①皇室、②外交・国際協調、③国家安全保障・治安、④通貨発行・金利、⑤通商政策、⑥資源エネルギー政策、⑦移民問題、⑧大規模災害対策、⑨最低限の生活保障、⑩国家的プロジェクト、⑪司法・民法・商法・刑法等の基本法に関すること、⑫市場競争の確保、⑬財産権の保障、⑭国政選挙、⑮国の財政、⑯国の統計・記録の16項目を担当する。

これに対し広域自治体(道州)は、広域の公共事業、経済・産業の振興、警察・治安、雇用対策等を担当する。基礎自治体は、保育所・幼稚園、小中学校等、住民に密着した、すべての行政を担当する。

また、「地方」という言葉は、ある種、差別用語ではないか。反対語は、中央。地方と言うから、中央が存在し、地方という限りにおいて、東京一極集中は、意識的に是正されることはない。ゆえに、私の「地域主権型道州制」において、地方という用語は死語としている。

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