JR西日本滋賀エリアのまちづくり 沿線エリアの自治体と協力

鉄道事業を核としながら、沿線地域の魅力を増し、地域との共生と事業の成長の両立を目指すJR西日本。滋賀県エリアにおいても沿線の自治体と信頼関係を築きながら地域のニーズをくみ上げている。西日本旅客鉄道(JR西日本)執行役員の若菜真丈氏に、同エリアの沿線との共生について聞いた。

JR草津線では、沿線自治体と協力して古い駅舎を橋上化し、バリアフリーにも対応した

JR西日本グループの事業は鉄道事業と創造事業に大きく分かれており、後者では主に旅行、流通、ホテル、不動産、ショッピングセンター等の事業を展開する。

「鉄道事業は沿線地域が活性化しないと立ち行きません。鉄道事業をベースに、グループで展開している生活サービス事業と連携しながら地域を活性化し、住んでみたい、訪れてみたいというまちをつくることが当社グループのミッション。地域社会からの期待、そして協力があってこそ継続できる事業であり、お客様良し、地域良し、弊社良しの『三方良し』の精神で事業に取り組んでいます」と若菜氏は、この地に根付く近江商人の精神になぞらえながら、事業に込めた思いを語る。

若菜 真丈 西日本旅客鉄道 執行役員 近畿統括本部 京都支社長

JR西日本と滋賀県とは、2010年度に包括的連携協定を結び、鉄道の強みを生かしながら地域と一体となった観光振興、都市の魅力向上に取り組んできた。まちづくりの取り組みにおいては駅の橋上化、駅前広場の整備、バリアフリー化などがある。中でもJR草津線(三重県伊賀市の柘植駅から滋賀県草津市の草津駅までを結ぶ全11駅の路線)では、沿線自治体と協力しながら7駅で駅の橋上化を実現している。

貸自転車を湖畔の移動の足に

観光振興では、全国初の試みとして実施した守山市の「スマート駅リン」が象徴的だ。JR西日本グループが管内で展開するレンタサイクル事業「駅リンくん」と連携し、JR守山駅からの移動の利便性向上と、域内移動における自転車活用の推進を目的に2019年11月にサービスを始めた。アシスト機能を搭載した自転車を導入し、1日600円で利用が可能。守山市は琵琶湖への県内外からのアクセスが便利である立地を生かし、自転車で琵琶湖1周を楽しむ拠点としての「自転車のまちづくり・ビワイチ」を推進している。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り62%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。