依然多い「高齢者」に関する議会質問 シルバー民主主義が影響?

「子ども」に関連する議会質問等は、2010年から減少傾向にある一方で、「高齢者」に関する質問等は、高止まりで続いている。それは、日本のシルバー民主主義が一要因になっていると見られるが、高齢者問題は多様であり、地域に応じた施策が進められている。

前回は「子ども」という言葉をキーワードに議会質問等の推移を確認した。今回は「高齢者」に注視して議会の動向を確認する。

議会質問等における
「高齢者」の動向

図表1は「全国47都道府県議会議事録横断検索」を活用した「高齢者」に関する議会質問等の推移である。議会からの質問と執行機関の答弁が含まれている。

図表1 都道府県議会における「高齢者」の質問等の推移

出典:全国47都道府県議会議事録横断検索

 

図表1を確認すると、「高齢者」に関する質問等は2010年ころまでは拡大してきた。しかし2010年以降は1000件~1100件強の間で推移している。「停滞している」とは言わないが、落ち着きつつある。ちなみに「子ども」に関する質問等は2010年から減少傾向にある。

シルバー民主主義という概念がある。シルバー民主主義とは「少子高齢化の進行により有権者に占める高齢者(シルバー)の割合が増加することで、高齢者層の政治への影響力が増大する現象」と定義される。これが一要因となり、高齢者に関連した議会質問等が高止まりで続いているとも言える。

質問等の回数は高水準であるが、「高齢者」に関する質問内容は多様である。この10年間だけを観察しても、独居高齢者ひきこもりから孤立死、孤独死に関する質問がある。また高齢者虐待も一定数見られる。特殊詐欺の被害を危惧する質問もある。また、質問数が一定して確認できるのはバリアフリー関連である。

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