蓼科のシェフの挑戦 安全・安心で国産ジビエの利用を増やせ

農作物を荒らすシカやイノシシなどを、ただ駆除するだけでなく、ジビエとして生かしたい。その思いをもって、蓼科のフレンチレストランのシェフが、ジビエ振興の活動を長野県で開始した。規模の大きい外食産業で使える国産ジビエを目指し、衛生的な加工・流通のしくみづくりに挑戦している。

藤木 徳彦(一般社団法人日本ジビエ振興協会 代表理事、オーベルジュ・エスポワール オーナーシェフ)

狩猟で得られた食肉を意味するジビエ。ヨーロッパで貴族の料理として発展し、現在は世界中のレストランで高級食材として食べられている。一方、日本でジビエが注目を集めているのは、野生鳥獣、特にシカ・イノシシによる農作物の被害が深刻化しているためだ。その被害額は長野県では約8億円(2019年)、全国的には150億~200億円で推移している。しかし、農作物を守るために駆除したシカやイノシシの肉を、食肉として利用している率は10%に満たない。これを有効活用できれば、農産物保護とジビエ利用で一石二鳥を狙えるのだ。

メニューの目玉は地元のジビエ

長野県に本拠を置く日本ジビエ振興協会では、国産ジビエの普及と定着を目指し活動してきた。代表理事は、蓼科高原でオーベルジュ・エスポワールを営むオーナーシェフ、藤木徳彦氏である。

「2012年に任意団体を立ち上げ、2014年にはNPO法人日本ジビエ振興協議会に、その後2017年に一般社団法人日本ジビエ振興協会としました。ジビエを日本の食文化として普及させ、地域社会に貢献することを目指しています。野生動物の肉を用いるジビエ料理では、狩猟直後から料理として提供するまで、適切な処置が必要です。当協会ではジビエの正しい処理などの周知・啓蒙活動を行っています」と話す。

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