オープンイノベーションが拓くグローカル企業
1921年に創業し、電力・環境エネルギー分野を中心に、情報・サービスなど多様な事業を展開する正興電機製作所。社会環境が大きく変化しようとしている今日、活路となる海外展開や人材育成などについて、同社・土屋直知会長と、事業構想大学院大学・永野芳宣特命教授の2人が語る。

土屋 直知(正興電機製作所 代表取締役会長)、永野 芳宣(事業構想大学院大学 特命教授)
東京一極集中を止めるには
企業の地方分散から始めるべし
永野 貴社は来年創業100周年を迎えられるそうですね。創業者は土屋会長のおじい様にあたられるとか。

永野 芳宣(事業構想大学院大学 特命教授)
土屋 前身の商社「盛興商会」九州支店長だった祖父の土屋直幹が4人の仲間と共に商権を引き継ぎ、1921年、「正興商会」という電気機械商社として創業しました。

土屋 直知(正興電機製作所 代表取締役会長)
永野 創業当時の日本の産業は製造業が50%程度だったようですね。
それが今では、製造業は15%程度で、75%がサービス業となっていますね。私は、製造業はどのような社会になっても重要だと思っているのですが。
土屋 創業当時は第一次世界大戦後の世界的不況の時代で、近代化を進める日本は輸入品に頼らない国産化に力を入れていました。とくに電力は近代化のきわめて重要な柱で、鉄道や産業機械の電化が急速に進んでいました。ですから当社も早い時期に商社から電気工事や、配電盤などの電気機器メーカーに事業の重点を移したようです。
私もものづくりは経済のコアだと思っています。当社はものづくりを中心にして、技術を磨きコア製品を生み出してきました。それに加えて他社ではできないサービスを付加価値としてつけてきました。
とくに地元のお客様のニーズに応えられる事業を展開するということが創業時からの志です。お客様のニーズは非常に多様ですから、必然的に情報事業やサービス事業などの展開に繋がってきたと思います。
永野 博多に本社を置かれているのも、やはり地元に密着した事業展開ということを重視されているからでしょうか。
土屋 地元のお客様のニーズを中心にものづくりをしてきましたので、この地に本社を置くのは当然のことです。
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