「お好み焼き」の食文化 ソースを介して世界に広げる

国内・海外合わせて6つの生産拠点にて、お好みソースをはじめとする調味料を製造しているオタフクソース。広島市内にはお好み焼づくりを体験できる施設を開設し、広島のお好み焼の文化を広く発信している。

大内 康隆(オタフクホールディングス 執行役員 広報部 部長)

広島市に本社を置くオタフクソースは、国内のウスターソース類生産量で約3割のシェアを占める調味料メーカー。コクのある甘さととろみが特徴のお好みソースは、「さらさらしたソースは鉄板に流れおちる」というお好み焼店の悩みを受けて開発された、お好み焼に合うソースだ。広島ではソースと言えばお好みソースと言われるほど、地域に浸透している。

オタフクソースの看板商品であるお好みソースは、定番商品の他、1歳から食べられる幼児用、減塩、オーガニックなどさまざまなバリエーションがある

試食販売と口コミで全国に拡大

販路拡大のきっかけとなったのが、業界に先駆けて1982年に採用された樹脂容器「スクイズボトル」だ。当時、お好みソースは瓶で販売していたが、顧客から「とろみが強いため、瓶から出しにくい」という悩みが寄せられた。樹脂ボトルにすれば搾りやすくなるが、当時の樹脂ボトルは完全密封ができず品質管理が難しい。そこで同社は完全密封可能な樹脂ボトルを容器メーカーと共同で開発。「フクボトル」と名づけた。より確実な品質管理が実現し、全国展開が可能となった。

中国地方、四国地方、九州地方、大阪、東京と徐々に販路を拡大するに当たり、どのエリアでも必ず試食販売を行った。食べたことのない商品を購入する人はいないので、まず商品のおいしさを知ってもらう必要がある。営業担当が量販店に出向いてお好み焼を焼き、試食の後で購入を検討してもらう取り組みを実施した。

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