日本の少子化問題軽減へ 東京に求められる子育て力の強化

企業集積やインフラなどを総合した東京の「都市力」は今や世界のトップレベルにあり年々進化している。しかし一方で「東京一極集中是正による少子化問題の解決」も同時に迫られている。東京は両者をどのように両立させればよいのだろうか。

都心で和の雰囲気を感じられる明治神宮は、訪日観光客の人気スポットだ

世界で評価される「東京の都市力」

大企業本社数ランキング(Fortune Global500、2017)世界第2位、メガシティ総合評価(フィナンシャルタイムズ2014/2015)第3位、世界の都市総合力ランキング(森記念財団2019)第3位、グローバル都市指標(A.T.カーニー2019)第4位。

東京の都市力強化が着々と進んでいる。市場規模・経済集積・人的集積などを中心に高評価が並ぶ。東京のグローバル競争力を高めることが、そのまま日本の競争力強化に直結すると考えられており、それが都市力強化の原動力になっている。

「インターネット環境さえあればどこでも仕事はできる」と、敢えて地方に移転する企業もあるが、全般的な傾向としては先端企業を中心に東京への集中の度合いを強めている。

その背景は諸々考えられようが、「東京(都心部)は国内外の多様な業種の人々とのface to faceでの非公式な交流機会が多い」点は見逃せない。この点こそが国内他都市とは決定的に異なる東京の強みであり、そうした非公式な交流の中でイノベーションの種が見出されるからである。事業化するに当たっての各種経営資源(人・モノ・カネ・情報)の調達が他地域より容易な点は言うまでもない。

一方、観光・インバウンドに目を転じると、「旅行者による世界の都市調査」(トリップアドバイザー)において東京は世界第1位になっている。「外国人に人気の日本の観光スポット2019」(同上)を見ると、ベスト30には新宿御苑・浅草寺・明治神宮の3つがラインクインするに過ぎないが、「外国人に人気の日本の体験・ツアーランキング2019」(同上)では、ベスト30の実に3分の1を東京(での取り組み)が占めている。日本ならではの文化・歴史・ライフスタイルを実体験できる場のバラエティの豊かさが東京の強みとなっており、今後もこの点をいかに伸ばすかが重要だろう。

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