世界とつながる熊本県を実現 震災からの創造的復興で進化

熊本地震の発生からまもなく4年。県政史上最大の逆境を乗り越え、地方創生を推進する熊本県・蒲島郁夫知事と、事業構想大学院・永野芳宣特命教授の2人が、地方政府のリーダーの役割、未来を支える人材の育成、世界とつながる熊本の創造について語る。

蒲島 郁夫(熊本県知事)、永野 芳宣(事業構想大学院大学 特命教授)

リーダーは、勇気と
精神の自由を以て決断せよ

永野 蒲島知事は、今年3月の県知事選で4期目を目指されるそうですね。

永野 芳宣(事業構想大学院大学 特命教授)

蒲島 蒲島県政3期目の挑戦は、最大の課題である人口減少社会に立ち向かい、地方創生を実現することでした。しかし、くしくも蒲島県政3期目初日の4月16日に、熊本地震の本震が発生しました。この県政史上最大の逆境を乗り越え、ふるさと熊本を一日も早く再生させることが私の天命だと思い定め、これまで一心不乱に取り組んで参りました。そして現在、復旧・復興は着実に進んでいます。しかし、まだ道半ばです。オール熊本で取り組んできたよき政策を緩めず、創造的復興を熊本の更なる発展につなげ地方創生を実現するため、私は4期目に挑戦することを決意しました。

蒲島 郁夫(熊本県知事)

永野 知事は、地震発生後の非常に早い段階で復興の方向性を示されました。

蒲島 災害対応で一番重要なことは初動です。私は地震発生後直ちに、①被災された方々の痛みを最小化する、②単に元あった姿に戻すのではなく、創造的復興を目指す、③復旧・復興を熊本の更なる発展につなげる、という「復旧・復興の3原則」を示しました。さらに、発災から3か月余りで、3原則に基づく復旧・復興プランを取りまとめました。このように、地震発生後いち早く、復旧・復興の方向性や具体的な取組を示したことが、その後の熊本の力強い復興の動きにつながりました。

永野 4期目に出馬される知事のお気持ちはよく理解できました。創造的復興や地方創生は、長期的視点で取り組む必要がありますからね。首長として非常に強いリーダーシップを発揮されている蒲島知事は、リーダーの役割をどのようにお考えですか。

蒲島 地方自治体のリーダーには、民意を集めて政策に反映させるという役割があります。平成や令和のような、大きな災害が頻発する、不確実性の高い時代にその役割を果たすためには、強いリーダーシップが必要です。私はリーダーに求められることには大きく3つあると考えています。

1つ目は、明確なビジョンを示すこと。どこに向かおうとしているのか、目的地を明らかにしなければなりません。

2つ目は、決断する勇気を持つこと。リーダーとしての決断は、勇気がなければできません。

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