躍進する「だるま界のベンチャー」 伝統産業を成長産業へ
福島県白河市で江戸末期から約300年間、だるまを作り続ける「白河だるま総本舗」。14代目の渡邊高章氏は、大手と協業して環境にやさしいだるまを開発するなど、新規事業に挑戦し続け、伝統産業の新しい市場をつくり出している。
だるまと言えば、お正月の縁日や選挙の当選で目を入れるシーンを思い浮かべる人も多いだろう。しかし近年、だるま産業も他の伝統工芸と同じく衰退傾向にあり、苦境に直面している。そうした中で「だるま×環境」「だるま×SDGs」「だるま×デザイン」など、だるまを軸にした新規事業を次々に打ち出し、新しい市場を開拓しているのが白河だるま総本舗だ。
伝統工芸もエコとSDGsの時代
「白河だるま」は福島県が誇る伝統工芸の1つであり、白河だるま総本舗は江戸末期から約300年間、白河市でだるまを作り続けてきた老舗企業だ。同社の第14代、渡邊高章氏は数々のユニークなアイデアでだるま産業に新風を吹き込んでいる。
渡邊氏は「伝統工芸も環境を考えなければいけない時代です」と語る。白河だるま総本舗は三菱製紙との共同プロジェクト『Eco Lands』を2017年12月にスタートさせた。
白河だるまの原料は紙だが、重しの部分に土粘土を使用しており、それは焼却時に廃棄物となる。三菱製紙と共同開発した「ecoだるま」は、重しの部分にプレスした紙を利用することで、100%紙素材の白河だるまを実現。また、「ecoだるま」の売上げの一部は、植樹などを行う体験型学習ツアーに使われる。
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