大企業に頼らず、再生可能な電力を自らの手で 地域の自立を目指す

東日本大震災後の原発事故で、風評被害を含め、大きな被害を受けた福島県。大企業に頼らず、再生可能な電力を自らの手で作り、自立する地域を作ろうと喜多方市で始まった活動が、次第に規模と発電量を増やし、地域経済の一翼を担いはじめている。

佐藤 彌右衛門(会津電力 会長)

福島県西部の内陸部にある会津地方で、再生可能エネルギーによる発電、地域づくりを推進する会津電力。「エネルギー革命による地域の自立」を理念に掲げ、再生可能エネルギー(再エネ)事業を通じて地域の自立の実現を目指している。

同社は、2011年の東京電力福島第一発電所事故をきっかけとして、2013年に設立された。2014年には、喜多方市雄国太陽光発電所の稼働を開始。発電設備容量1000kW、太陽光パネルの枚数は3740枚に及ぶメガソーラー発電所だ。

会津電力が喜多方市で運営する雄国太陽光発電所(左)。会津地方は豪雪地帯だが、ソーラーパネルに角度をつける、パネルを載せる架台を高く設置するなどの工夫で、冬でも発電を可能にしている。10月には喜多方市の工業団地に、新しい発電所が竣工した(右)

同発電所の稼働を皮切りに、まずは会津地方における安定した電力供給の実現を目指してきた。2019年10月現在で太陽光発電所の数は84カ所、合計出力は5925kWに達している。これは、一般家庭約1780世帯分の電力に相当する数値だ。

以来、小水力発電、風力発電、バイオマス発電といった再エネの提供に取り組み、企業としての体力を順調に強化してきた。自然エネルギーによる電力の確保を目指す生活クラブエナジー(東京都新宿区)を通じ、生活クラブ生協の組合員に対する電力供給も開始している。

発起人であり現・会長の佐藤彌右衛門氏に、創業に関する話、そして地方で電力会社を興す意味などについて話を伺った。

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