若年世代を創生のエンジンに 鍵握る「観光」「富山の薬売り」

持ち家比率や住宅当たり延べ面積では全国1位と、一見恵まれた富山県。だが、若い女性層の県外流出が深刻化し、出生数は17年連続で減少している。県産業の強みを活かしつつ、女性にとって魅力ある仕事をいかに創出していくかが鍵を握る。

球根生産量日本一のチューリップと、立山黒部アルペンルートは富山県の観光のキラーコンテンツ

生産年齢人口100人当たり製造業従事者数全国1位(2016)、医薬品生産額1位(2015)、住宅用アルミニウム製サッシ全国シェア1位(2016)というデータが示すように、富山県は、日本屈指の「モノづくり県」である。

しかも、正規雇用を主体とした安定した雇用環境にあり、女性有業率・共稼ぎ世帯割合の高さ、企業の高齢者雇用意欲の高さ、三世代同居率の高さも相俟って、持ち家比率や1住宅当たり延べ面積では全国トップとなっている。

非常に恵まれた環境にも思われるが、女性層(特に20~24歳)の県外流出が留まる所を知らない。全国的に、製造業が盛んな県は、若い女性層にとって魅力的な就職先が乏しく、県外流出傾向に歯止めがかかっていないが、富山県の場合は特に深刻である。その結果、2018年の出生数は6858人に留まり、富山で生まれる子どもの数は、17年連続で減少している。

県の将来を考える上で、彼女たちにとって魅力的な仕事をどのようにして創出していくかが重要なポイントのひとつであることは疑う余地がない。その点に留意しながら、ポテンシャルの高い「観光」と「富山の薬売り」を中心に富山県の「今後」を検討したい。

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