「地獄を体感できる博物館」が撮影解禁 立山信仰の世界をSNS拡散

歴史ある山岳信仰の世界を現代的に展示している富山県[立山博物館]。目玉の施設であるまんだら遊苑の写真撮影が可能になり、SNSでの拡散が始まった。国内からのみならず、北陸地方を訪れる海外の観光客の誘客にも力を入れる。

城岡 朋洋(富山県[立山博物館]館長)

SNSは現代においては、即効性のある情報伝達、発信の手段だ。観光においても、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムを介して、個人が情報を拡散することで、世界的に有名な観光スポットが生まれるケースが増えた。富山県[立山博物館]は、これまでは撮影禁止だったが、2019年春に写真撮影を解禁し、観光客の人気を集めるようになっている。

立山信仰の世界を展示

富山県立山町にある富山県[立山博物館]は、立山山麓の芦峅寺(あしくらじ)に複数の施設を持つ広域分散型の博物館である。開館は1991年で、以来、富山県のシンボルである立山の歴史と立山信仰、立山の自然を紹介してきた。

山岳信仰の対象である立山は、平安時代にすでに登拝者があったとされ、山中に地獄と浄土がある山として江戸時代には全国に崇拝者がいた。同館のある芦峅寺集落は、立山信仰の歴史や文化を現代に伝える貴重な場所で、庶民へと信仰が広まった江戸時代後期には、立山登拝者のための宿坊が33カ所も立ち並んでいたという。

現在、一帯には、同館の施設である展示館、山岳集古未来館、遙望館、まんだら遊苑などの博物館施設が広がっている。雄山神社や布橋といった地域の歴史的な景観の中に施設が分散しているのが魅力で、五感で学べる博物館として訪れる人々の心を揺り動かしている。

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