柏の葉を「ベンチャーのまち」に 公・民・学連携で実証を支援

千葉県柏市と三井不動産、柏の葉アーバンデザインセンターは、柏の葉キャンパスを舞台にした実証プラットフォーム「イノベーションフィールド柏の葉」を始動させた。オープンイノベーションを加速し、新たな産業の創造や社会課題の解決に取り組む。

西林 加織(三井不動産 柏の葉まちづくり推進部 事業グループ 主事)

実証フィールドを構築
実験都市のモデルを目指す

千葉県柏市は人口約42万人の中核市だ。21世紀に入ってから開発が進んだ市内の「柏の葉エリア」には、東京大学柏キャンパスや千葉大学環境健康フィールド科学センター、国立がん研究センター東病院、東葛テクノプラザなど最先端の研究や産業に関わる機関が集積する。

2017年には、国立がん研究センター東病院に「NEXT医療機器開発センター」が設立されたほか、2019年春には東大柏Ⅱキャンパス内で、AI技術の社会実装加速化を目指す研究拠点「産業技術総合研究所柏センター」が本格稼働した。

このような中、柏市と三井不動産、柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)は2019年2月、柏の葉のまちを舞台とする実証プロジェクト受け入れを通年で行うプラットフォーム「イノベーションフィールド柏の葉」を始動させた。「公・民・学」連携で、社会課題の解決や新たな産業の創造を目指すもので、AIやIoT、ライフサイエンス・メディカル分野の実証プロジェクトを支援していく。

柏の葉エリアは2001年まで、三井不動産所有の柏ゴルフ場だった。2005年につくばエクスプレスが開通し、まちが大きく発展した

柏の葉エリアでは従来から、世界の課題解決型まちづくりのモデル構築を目的として、特に「環境共生」「健康長寿」「新産業創造」の3つのテーマに関し、公民学連携でスマートシティ構想を推進してきた。昨年6月には「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」を設立し、エリア内に構築したIoT実証フィールド環境で、様々な実証実験にも取り組んでいる。

「柏の葉IoTビジネス共創ラボを中心とする実証実験は当社が幹事企業として主体的に行っておりましたが、今回は外部から通年で募集を行っており、これまでとは文脈が異なります。柏の葉は都心に近いだけでなく、日本を代表する国立大学・医療機関や研究所が立地しており、その最先端の知を活かしたまちづくりを目指しています」。

三井不動産柏の葉まちづくり推進部事業グループ主事の西林加織氏は、イノベーションフィールド柏の葉の活動についてこう説明する。募集要項は公式ウェブサイトで公開しており、毎月1、2件の募集に関する問い合わせが寄せられているという。審査を経て採用されたプロジェクトには、行政や関連企業などまちの関係者とのコーディネーションや技術に関する相談、メンタリングなど総合的な支援を行っていく。

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