2019年11月号
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地方創生フォーラム 開催レポート

訪日客の心をとらえる 「ほんもの体験」の南信州の旅

高橋 充(南信州観光公社 代表取締役社長)

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「日本版DMO」の先駆的組織である南信州観光公社は、人の心を捉える「ほんもの体験」の提供で国内外から高い評価を受けている。多様な関係者とともに進めるインバウンド施策とは。

高橋 充 南信州観光公社 代表取締役社長

南信州を「旅の目的地」に

南信州の15市町村と地元企業・団体が参画する南信州観光公社。行政区域を超えて連携し、体験型観光という切り口で地域振興を図ってきた。農業、生活、文化、スポーツなど、さまざまな分野の体験プログラムを約200種類揃える。

「南信州エリアは、通過型観光地として短時間の滞在に留まることが多かったので、“旅の目的地”として選ばれたいという思いでやってきました」と高橋氏は話す。

プログラムの理念は「ほんもの体験」の提供だ。南信州の人々がインストラクターや案内人となり、訪れた人と普段の仕事や暮らしを一緒に味わったり、地域の自然や歴史をともに楽しんだりという体験を「ほんもの体験」とし、これらの体験活動を通じてさまざまな交流を生み、地域住民の思いを伝えることを同公社の使命としている。

「旅の個別化志向が鮮明になり、旅の質が問われる時代に、『ほんものの感動』を提供するという明確な理念を確立したことが成功につながったのだと思います」と同氏は分析する。

海外でも評価される「農家民泊」

一番の人気コンテンツは、農作業や農家の暮らしを1泊2日で体験する「農家民泊」。学校の教育旅行や会社の研修旅行を主な対象とし、地域内宿泊施設の併用を受入条件とすることで、さまざまな産業への波及効果を高めている。

「農家民宿」の成り立ちは、当時、旅行会社の営業マンとして飯田を訪れた高橋氏のこんな体験がきっかけだった。「五平餅作り体験をした学校の先生方が、農家の人々の人柄や対応に感激し、来年は農家に泊まりたいとの要請を受け、1998年から開始しました。おもてなしではない、ありのままの生活が魅力となっています」。

受入の農家・民家は約300軒。インストラクターや民泊の家族を含めると、事業に関わる地域住民は1000人にのぼる。多様な関係者との運営においては「良質な関係構築が大切です」と高橋氏はいう。

「スムーズな当日運営と危機管理対策として、事故・ケガ・病気の発生に備えた24時間対応の窓口を設置し、救急医療機関への連絡や搬送を行っています。また、定期的に打ち合わせや懇親の場も含む反省会を実施したり、受入依頼や体験の謝礼は訪問による手渡しを基本としています」。

「農家民泊」は2017年に「COOL JAPAN AWARD」(一般社団法人クールジャパン協議会主催)を受賞するなど、インバウンド施策としても評価が高い。2019年8月時点で海外からの受入は1700名を突破した。

「実はオファーはあっても断っていました。言葉が通じない方の受入は関係者の負担が大きいと判断したからです」。しかし、2012年に飯田市からの要請で、団体として初めてガーナの高校生21名の受入が決定したことを機に考えが変わったという。

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