新潟の酒蔵を集めた観光施設 唎き酒マシンで新体験を提供

新潟駅直結の「越後のお酒ミュージアム ぽんしゅ館」では、「唎き酒マシン」が人気だ。県内全酒蔵の日本酒を取り揃え、100以上の銘柄から選んだ酒が楽しめる。仕掛け人の髙村秀夫代表は「日本酒王国・新潟から新しい体験を提供したい」と語る。

高村秀夫(レルヒ 代表取締役社長)

日本酒王国の全蔵の酒を一堂に

東京発の上越新幹線の終着駅である新潟駅。ここに2015年に開店した「ぽんしゅ館」は、新潟の地酒やお米、多彩な特産品を取り揃えている。目玉は、新潟のすべての蔵の酒が手軽に楽しめる「唎き酒マシン」。受付で500円を支払うと、渡されるのは5枚のメダルとお猪口。111種類の地酒の中から好きなものを選んでメダルを入れると、自販機の要領で一杯分が提供される仕組みだ。

受付で500円を支払い、お猪口とメダル5枚を受け取る。唎き酒マシンに入れるメダルの数は酒ごとに異なるが、 最大でお猪口5杯分の唎き酒ができる

ぽんしゅ館の1号店が越後湯沢駅にオープンしたのは、1995年のこと。運営を担うレルヒ代表取締役の髙村秀夫氏は、新潟の最大の強みである「日本酒」に特化した施設を企画。唎き酒マシンもこの時に誕生した。

「新潟といえば、酒と米です。県外の方に『新潟県民は常にカバンにお猪口を入れている』と冗談を言っても、信じてしまうほど。分かりやすい特徴を持たせるために、酒で徹底的に尖らせました」。

日本酒は空気に触れると劣化して香りが落ちてしまう。この「老ねる(ひねる)」という現象への対策のためにマシンは改良が重ねられ、現在使われているものは5号機だという。

越後湯沢駅での成功を受けて次に新潟駅、2017年には長岡駅に出店。2018年4月には新潟駅の大規模リニューアルにともない、「コンプレックス」と「クラフトマンシップ」という2店舗を同時オープンさせた。コンプレックスは新幹線の改札前という場所から、すぐに選んで買えるお菓子などの土産物が並ぶ。クラフトマンシップは、職人のこだわりが詰まった食器や道具を探すことができる。出張客や観光客が行き交う新潟駅に地域の銘品が集う場を設けたぽんしゅ館3店舗は、「新潟のショーケース」としての役割を果たしている。

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