2019年8月号

マイナンバーの時代に備える

自治体の働き方改革 RPA導入で住民の利便性も向上

UiPath

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人の手で行われる付加価値の低い事務作業をロボットで自動化できるRPAへの関心が、自治体で高まっている。RPAの導入では、マイナンバー法改正に伴う業務の効率化など、自治体の業務削減のほか、住民の利便性向上も期待されている。

自治体で高まるRPAへの注目

世界をリードするRPA(Robotic Process Automation)ベンダーのUiPath(ユーアイパス)株式会社(本社:米ニューヨーク)は、国内で900社、世界で2,500社以上での実績を持つ。2017 年に日本法人を設立し、「『日本の働き方改革』を全力でサポートする」方針を掲げて注目されてきた。

RPAは「仮想知的労働者(デジタルレイバー)」とも呼ばれ、人の手で行われる付加価値の低い事務作業をロボットで自動化できる。同社の製品は幅広い業界で導入されており、近年は特に地方自治体の注目が高まっている。

「働き方改革は、日本法人設立当時から政府の課題となっていました。国内では人手不足も深刻化しており、自治体も新規採用で苦労されていると聞きます。国のシステムの変化に伴い自治体の仕事は増えていますが、定員はあまり増やせません。このような中で、RPAへの注目は高まっています」

UiPathの特長と地方公共団体業務への親和性

 

UiPathクライアントソリューション本部公共ソリューション部マネージャーの廣瀬明倫氏は説明する。RPAの導入では業務量が削減されるだけでなく、人間が行う仕事を創造的でより高いレベルにすることも可能だ。

「人工知能(AI)との組み合わせで、人間の判断がいくらか必要となる業務も自動化可能になっています。それでも人間の仕事は残り、より創造的なものへと移行していくはずです」。

例えば、民間企業ではデータの打ち込み作業のような単純作業に従事していた社員の考え方が、RPA導入を機に変化した事例がある。その社員は自分の業務全体について考え、他の部分もロボットの導入で効率化できるのではないかと管理職的な考え方をするようになった。自治体によるRPA導入でも、同様の変化が期待できる。

同社の製品は分散型でも集中型でも導入可能で、大小様々なシステムを安定的に動かせるのが特長となっている。国内の自治体では既に約50カ所で導入されており、他の自治体からも多くの問い合わせが寄せられている。

2018年8月に導入の実証実験を開始した茨城県では、年間で最大約4万6000時間の労働削減効果が見込まれている。また、今年3月に実証実験を始めた東京都多摩市はOCR(光学的文字認識)をAIと組み合わせたAIOCRで、住民税や児童手当、保育園入所申請書入力業務の自動化を試みる。

「多摩市の取り組みは、自治体の業務をいかに全体的に自動化していけるかという点で注目されます。また、マイナンバーに関する業務を含め、自治体には電子化を進めて紙をなくしたいという強い要望があり、RPAはその点でも役立ちます」。

RPA活用で進む縦横の連携

デジタル手続法に伴うマイナンバー法改正の関連では、情報連携のため中間サーバーに個人の情報を1つ1つ上げていく必要がある。情報を中間サーバーに上げ、照会する際、手作業が残っている自治体もあるが、RPAを導入すれば自動化できる。

RPAで進化する自治体業務各種ワンストップサービスの実現

(出典)内閣官房情報通信技術(IT) 総合戦略室資料より作成

 

今後、自治体におけるRPA導入が進めば、国や他の自治体、民間企業との連携も進んでいく見込みだ。マイナンバー法改正に伴う利用範囲の拡大も追い風となる。「マイナンバーと民間のシステムを連携させれば巨大なシステムになりますが、RPAを導入すれば、不可能なことではありません」。

民間企業との連携に関しては、政府も引っ越しに伴う手続きのワンストップ化を推奨している。引っ越しでは自治体への届け出のほか、銀行や証券の口座、携帯電話等の住所変更も必要となる。自治体に転入届を出せば、一連の対応が自動的に行われるといった連携も将来的には可能だ。

「自治体におけるRPA活用の可能性は、幅広いと思います。例えば、統計情報では国が自治体に調査票を配り、自治体が事業者等にアンケートを行って回収、都道府県でまとめて国に上げるといった作業があります。RPAで自動化すれば、取りまとめの時間は大幅に短縮されます。また、災害情報を自治体のウェブサイトにアップする作業も、迅速化できるはずです」。

地域の産業づくりに活かす

「自治体のRPA導入では業務の効率化も1つの目標ですが、究極の目標は住民の方々の利便性向上だと思います。政府が進める『手続きのワンストップ化』もその例です」。

RPA導入を自治体内の業務改善だけでなく、地域活性化につなげようとする取り組みもある。2018年1月にいち早く実証実験を開始した石川県加賀市では、RPA導入を地元の産業づくりにつなげようとしている。まずは市が積極的にその導入や人材育成を進め、将来的にはAIやモノのインターネット(IoT)も含む「自動化産業」を興すことを目指す。

廣瀬 明倫(UiPath株式会社 クライアントソリューション本部 公共ソリューション部 マネージャー)

 

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