850万世帯に配信で地域活性化、アニメ専門テレビ局の挑戦

地域の観光資源として、アニメーションを活用する動きが高まっている。850万世帯の加入者に向けた放送を通して分かる、高いポテンシャル。国内外に向けた観光支援施策のアイデアとは何か。

ANIMAX MUSIXの開催風景

アニマックスとは、全国のケーブルテレビ局やスカパー!、IP配信プラットフォーム等を通じて視聴する事ができる、24時間アニメを放送する有料テレビ局だ。開局から25周年を迎えた。「全世代の人にアニメを楽しんでもらいたい」との思いから、デモグラフィックマトリックスを作成し、世代ごとにテレビの前にいる生活時間を想定し、年齢層に合わせた番組編成を行なっている。

北村 亮 アニマックスブロードキャスト・ジャパン セールス&プロモーション部 シニアマネージャー

北村氏は同社で企業向けに広告プロモーションプランの立案およびコンテンツプロデュースを担当。アニメやゲームのキャラクターIP、声優、YouTuberを活用した展開を軸とし、テレビメディアに留まらずイベント、デジタル領域も含めた提案を行っている。更に地域活性化との接点では、アニメをコンテンツとして活用した施策を自治体向けに推進している。

観光資源としてのアニメ

外国人の視聴者層にとって、放映されたアニメーション番組の舞台は「聖地」として位置付けられている。観光庁の調査によると、5パーセントの外国人が、映画・アニメの聖地を「既に訪問した」、10パーセントが「次回訪問したい」と回答しているという。「何をきっかけに地域へ人を呼び込むか、と考えた時に、アニメという資源があるのではないか、と考えます」。

「アニメによる国際コミュニケーション」の可能性に対して、アニマックスが提供できるのは、知的財産(IP)としてのビジネス展開。観光誘致を目的として、オリジナルアニメーション映像を制作するのだ。アニメキャラクターを起用した観光招致のキャンペーン企画・運営を行うと同時に、並行して、当該アニメ関連イベントの企画運営・告知を行う。ほかにもソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント(SPE)の国内外におけるテレビネットワーク網を活用した番組配信やイベントPRを行う。

コンテンツ活用で人の交流も

放送外の事業としては以下三つを柱に展開している。第一に「ANIMAX MUSIX(アニマックスミュージックス)」。日本3大アニメソング(アニソン)ライブの一つとして地位を確立している。アニソンは半年~1年くらいでトレンドが変遷する。そのため日頃からアーティストの事務所、ユーザーから小まめにヒアリングを行い、ブッキングを行なっている。自社興行だけではなく、地域が主催するイベントの1アトラクションとしてのケースも増えてきた。

第二に「アニコン」。アニメファンが集まり開催する街コンだ。共通の話題で参加者が集まりやすいため、地域活性の一つの手段として、自治体にアニコンを導入する事例も増えている。

第三に「Animax Cafe」。通常のカフェとして気軽に利用してもらいつつ、アニメファン同士が接点を持つ場としても目的としている。毎月一つのアニメタイトルとコラボし、当該作品に関するメニューを提供する。アーティストや作者を招いたトークショーやイベントも開催しているという。

 

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アニマックスブロードキャスト・ジャパン
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