カルネコ、EVIを通じた森林支援で、企業のSDGs達成に貢献

「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に向けて、全国の地方自治体や企業では様々な取り組みが進められている。各地域で活用できるEVIを運営するカルネコは従来からの環境に配慮した活動を基盤に、SDGsの目標達成を目指している。

カーボン・オフセットを通じて
森林支援

2015年の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)では「パリ協定」が採択され、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの削減は急務となっている。また、同年9月に国連サミットで採択され、翌2016年から取組期間の始まった「持続可能な開発目標(SDGs)」は、今や多くの企業で取り組みが進み、2017年11月には経団連も企業行動憲章を改定するなど、ビジネス界全般へと急速な浸透が及んでいる。

カルネコが2011年3月に設立した「EVI(Eco Value Interchange)」は、森林事業者と企業、消費者をカーボン・オフセットでつなぐ「環境貢献プラットフォーム」だ。EVIが進めるカーボン・オフセットでは、森林整備によって生じるCO2吸収実績をクレジットとして購入することで、CO2の排出を相殺できる。

「森林は世界の陸地の約3割、日本の陸地の約7割を占めています。CO2の削減では森林をしっかり整備させていく必要がありますが、国内では長年、低価格の木材が輸入され、国産材がなかなか売れない状況が続いてきました。森に資金が回らなければ手入れはできず、森は荒廃してしまいます」

秋田県横手市の森を視察

カルネコ代表取締役社長の加藤孝一氏は、こう指摘する。環境省は、2008年にカーボン・オフセットを促進するJ-VER制度(現在はJ-クレジット制度)を創設したが、クレジットはあまり売り上げの芳しくない状況が続いた。このような中でカルネコはEVIプラットフォームを設置し、クレジットの販売を支援してきた。

「私たちは環境貢献型の商品を増やし、クレジットを購入してお金を森に回してくれる企業を増やすための活動をしています。さらに、国産材の活用も推進していきます」(加藤氏)

加藤 孝一 カルネコ 代表取締役社長

文化・芸能・スポーツ・教育など、地域には様々に切り口があり、それに目を向けて事例を作っていったカルネコ。例えば、春風亭柏枝氏は、高座に上がる割(わり)(出演料)の一部をクレジット購入に回してくれる「環境貢献型落語家」だ。またプロ野球チーム楽天イーグルスの試合では、オリジナルの木製品を販売し、購入者の1日分のCO2排出量をオフセットしたという。

楽天イーグルスの試合会場では、オリジナルの木材製品も販売。購入者の1日分のCO2排出量をオフセットした

また、環境教育の一環で、子ども向け「環境読み聞かせ絵本」を作り、森林の実態を知ってもらおうと、環境省と共同で制作し、高い人気を得た。

初めは中小企業から導入が始まり、事業の安定につれ、単なるモノの売買としての商売を超えた社会貢献の一環としてEVIに関心が持たれ、参加が増えたという。今やCO2を排出してはいけないという時代になり、著名な一流企業がEVIマークを付けてくれるようになった。

K&K(国分グループ本社)が生産する「東北産 白 桃」の缶詰。1缶につき1円が森林支援に

地域貢献を積み重ね「SDGs企業」に

EVIでは現在、全国各地の約94の森を支援しており、82社の企業が活動に参加している。企業や自治体などの協力を得て、カーボン・オフセットを利用した様々な商品開発を行っており、その事例は約970に上る。

例えば、秋田県八峰町では味は良くてもサイズが小さいため市場に出せず、廃棄されていた菌床椎茸を割安な価格で販売する商品にした。収入の一部は地元の森林クレジット購入に当てられ、人気商品になった。

また、長野県の農家ではヒョウ害などで捨てられていたリンゴをやわらかいドライフルーツに加工した商品を開発。1袋の販売で1円が、地元の森林のクレジット購入に使われる仕組みを作った。更に国産材の販売を促進するため、通販サイトも立ち上げた。楽天やAmazon、ヤフーにカルネコが出店し、その取扱いアイテムとして展開し販売支援もしている。デザイン面でも木工業者とタイアップして地域玩具や森の什器を共同開発し、販売実績の一部が森に還元される仕組みだ。

地域と連携したアイデアと事例は多岐にわたる。鳥取県米子市にある天満屋では、空きスペースを木育広場として展開を予定。また茨城県石岡市ではカーボン・オフセット協議会を作り、森を駆け抜けるトレイルランでは、参加支援金の半分を森のクレジット購入、半分を大会の運営に充てている。岐阜県高山市では商店街を挙げて、岐阜のクレジットを購入する商店街になった。日本人の環境意識を特に環境先進国の多いヨーロッパからの外国人観光客に働きかけるきっかけとした。鳥取の日南町は、森林比率90%の町で、日本初のカーボン・オフセット道の駅を作り活性化に役立てている。ほかにも長野の蓼科での森林クレジット購入など、地域特性を活かしたアイデアを生み実践を積み重ねている。

カルネコでは2018年、企業だけでなく社会の幅広い方々にカルネコのシステムを活用してもらえるよう、WEB印刷サービスの「POP'n ねっと」を開始した。この取り組みを通じて世の中の作り過ぎや無駄を減らし、CO2の排出削減にもつなげようとしている。

「カルネコの取り組みはSDGsの17の目標のうち、10に当てはまります。企業の方々は森を助ける枠組みに入っていただくだけで、SDGsの取り組みを始められます」(加藤氏)

まずは小さな取り組みから始めて「SDGs企業」となり、より大きな取り組みへと広げていけば、SDGs達成への大きな貢献につながっていくはずだ。

 

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カルネコ株式会社
担当:事業推進室 鈴木
東京都千代田区大手町1 丁目6-1
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TEL:03-5220-6234
MAIL:calneco_bp@calneco.co.jp
URL:https://info.calneco.jp/

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