ネット投票で新たな民主主義を ITで政治・選挙を身近にする

つくば市において、国内初となるネット投票システムの実証実験を行ったVOTE FOR。市ノ澤社長は、ネット投票は民主主義のあり方を問い直すきっかけになり、有権者が「自分ごと」として政治に関わるための基盤になると語る。

市ノ澤 充(VOTE FOR 代表取締役社長)

政府は2022年の参議院選挙において、在外邦人のネット投票実施を掲げている。また、内閣府の「マイナンバー制度利活用推進ロードマップ」では、2020年に在外邦人を対象としたネット投票実施が目標とされている。

こうした状況の中、ネット投票システムを手掛けているのが、VOTE FORだ。同社は2018年8月、つくば市において、国内初となるマイナンバーカードとブロックチェーンを用いたネット投票システムの実証実験を行った。

VOTE FORの市ノ澤充社長は、「民間として先行してネット投票の実績をつくり、政策的な意思決定がなされた時には、社会的な基盤が整えられている状態をつくりたいと考えています」と語る。

手間とコストを大幅に削減

VOTE FORはもともと、IT企業であるパイプドビッツの一部門が運営する政治・選挙情報サイト『政治山(せいじやま)』から始まった。組織再編に伴い、2017年3月にハイプドHDグループの子会社としてVOTE FORが設立。現在、『政治山』と『マイ広報紙』、ネット投票システムの3つがVOTE FORの主要事業となっている。

日本最大級の政治・選挙情報のプラットフォーム「政治山」

市ノ澤社長は2011年にパイプドビッツに入社し、『政治山』の運営に開設直後から携わってきた。

「『政治山』が目指しているのは、誰もが政治・選挙を身近に感じられるようにすること。『政治山』は情報の信頼性にこだわり、2015年4月の統一地方選時には1500万PVを記録しました。『政治山』の広告収入やタイアップ企画の収入が、VOTE FORの収益のベースになっています」

市ノ澤社長は『政治山』を運営しながら、早くからネット投票への関心を抱いていた。背景には、既存の紙ベースの投票システムに対する問題意識がある。

「1つはコストの問題があります。選挙や住民投票を実施するには、多額の費用がかかります。コストを理由に、選挙や住民投票をやらないという選択になるのは、民主主義にとってマイナスです。衆院選では毎回、約600億円の費用がかかると言われていますが、ネット選挙にすれば、それを半分以下に抑えられる可能性があります。また、投票の立会人を務めるのも重労働で、なり手が不足していますから、できるだけ人手がかからないようにすることも重要です」

現在の仕組みは、投票機会の均等という面でも問題だという。

「人口減少に伴い投票所はどんどん減っています。また、山間部や離島では投票箱の輸送に時間がかかりますから、そうした地域では数日前倒しで投票が締め切られ、選挙最終の盛り上がりもありません」

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