2019年7月号
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デジタル国家の構想

「普通の人」の声を政策につなぐ ロビイングの新テクノロジー

廣田 達宣(LobiLobi 代表取締役)

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ほとんどの人は、自分が政策決定に影響力を持てるとは思っていないだろう。政治は縁遠い世界であり、日々の生活で何か困っていることがあっても、地元の政治家にそれを実現してもらうのは難しい――。それが誤解だと気付かせてくれるのが、『issues』だ。

『issues』にはいくつかのトピックが用意されており、各トピックに投稿されたコメントが政策実現の原動力になる

すでに政策実現で具体的な成果

「普通の人」の声を政策に反映させるための政策実現プラットフォーム『issues』には、「小学校の欠席連絡をオンラインで出せるようにするべきでしょうか?」「熱を出した子どもを預かる病児・病後児の保育サービスをもっと充実させるべきでしょうか?」などのトピックが並ぶ。

ユーザーは各トピックに対して、賛成・反対のスタンスを明らかにし、「なぜ賛成なのか」「なぜ反対なのか」などのコメントを寄せる。それらのコメントは「要望」として取りまとめられ、1自治体当たりの有権者ユーザーの登録が10人を超えたら、地元の市区町村の議員に届き、その議員が政策の実現へと動き出す仕組みだ。

この仕組みは、すでに具体的な成果をあげている。地域によっては、保育所で子どもが使用した紙おむつは、保護者が持ち帰るルールになっている。しかし、それでは衛生面の心配があったり、保育所のお迎え後に買い物や人に会ったりするのが難しくなる。

東京・武蔵野市では、『issues』の前身となるサービスを通して、おむつ持ち帰り問題に悩むママ70人の声が市長、市議に届けられた。その後、2019年春から2000万円の予算が付き、保育所での廃棄・回収が実現されることになった。

廣田 達宣(LobiLobi 代表取締役)

『issues』を運営するLobiLobiの廣田達宣代表は、「以前から取り組んでいた市長さんや議員さん、行政職員の方々の尽力があってのことですが、『issues』で政策実現を後押しする効果があったと思います。保育関連の政策の要望については、武蔵野市の他にも3つの自治体で同様の取り組みが動いていて、1自治体ではすでに要望が実現、残り2自治体でも実現しそうな状況です」と語る。

政策を軸に
有権者と政治家をつなげる

廣田代表は『issues』の開発にあたって、プロトタイプをつくり徹底的にユーザーテストを繰り返した。そして、「政治や社会への参画意識の高さ」ではなく「自分自身の困り事を解決してほしいという欲求」をインセンティブにしたサービスを設計していった。

「ユーザーが強い課題感を抱くテーマについては、熱量の高さがコメントからも伝わってきます」

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