2019年7月号
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デジタル国家の構想

電子政府がもたらす新市場 官民連携・オープンデータの事業チャンス

庄司 昌彦(武蔵大学 社会学部メディア社会学科 教授)

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政府によるデジタル・ガバメントが推進され、数々の行政サービスのデジタル化や官民データ連携、オープンデータの活用などが進められている。今後、国や自治体、企業には、どのような戦略が求められるのか。電子政府やオープンデータの専門家、庄司昌彦教授に話を聞いた。

庄司 昌彦(武蔵大学 社会学部メディア社会学科 教授)

技術よりも仕事のやり方が課題

――政府は世界最先端のデジタル国家を目指して、様々なIT戦略を進めています。現状の課題をどのように見ていますか。

庄司 自治体におけるAIやIoT、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション、業務の自動化)の導入も始まっていますが、私はそうしたテクノロジーの活用を積極的に進めるのと同時に、取り組むべきことがたくさんあると思います。

重要なのはテクノロジーの新しさではなく、組織や仕事のやり方を変えること。押印を不要にしたり、手続きそのものを減らしたり、打ち合わせをオンラインにしたりなど、最新のテクノロジーを取り入れなくても、今すぐに挑戦できることはたくさんあります。

デジタル化に関して、自治体の現場は、とても真面目に取り組んでいると思います。ただしその進め方は、例えばペーパーレスならば、他の自治体をベンチマークし、積み上げで何%業務を減らせるかという改善型です。そうしたやり方では、紙ゼロにたどり着くのに何十年もかかってしまいます。

今後、地域の人口減少・人材不足はますます深刻化します。そうした危機に対処するためのデジタル化なのですし、他の国では実現している例もあるのですから、ペーパーレス1つとっても20年かけて達成するような話ではなく、できるだけ早く実現させなければなりません。

また、自治体におけるAI導入の業務例を見ると、音声認識による会議録作成などが行われています。それは一見、地味な取り組みに見えますが、仮に全国すべての自治体の会議録作成にAIが活用されるようになって発言が即座にテキスト化されれば、会議参加者や傍聴者の役に立ちますし、職員の方の負荷やコストを大幅に減らすこともできて、大きなインパクトがあります。ぜひ進めるべきだと思います。

今、求められるのは、従来からの改善ではない不連続の発想、イノベーションです。大胆な変革のためには、国が法律で後押しする必要がありますし、自治体の首長がトップダウンで変えていける所はどんどん変えるべきでしょう。自治体間の格差が広がるかもしれませんが、競争によってお互いの切磋琢磨を引き出すことにもつながります。

「官民のつなぎ目」をデジタル化

――デジタル・ガバメント推進のためには、官民連携も重要になります。

庄司 デジタル・ガバメントを考えるうえで重要なのは、それが行政や企業、病院、学校といった個別分野ではなく、社会全体のインフラであることです。

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