2019年4月号

デジタルファーストで地域が変わる

神戸市×楽天 テクノロジーで都市は進化する

楽天

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楽天は、政令指定都市としては初めての包括連携協定を神戸市と結んだ。久元喜造市長は楽天との連携を推進しながら、数々のテクノロジーを活用して、大都市が直面する様々な地域課題の解決に取り組んでいる。

久元 喜造 (神戸市長)

テクノロジーの進化を
都市経営に活かす

――神戸市が抱える地域課題について、どのように見ていますか。

久元 神戸市は、1995年の阪神・淡路大震災という大きな試練を乗り越え、発展してきました。1995年は「インターネット元年」とも言われますが、復旧・復興や財政再建に邁進してきた神戸市はその流れに乗れず、ITを活用した行政サービスの高度化という側面では他の都市に先行され、その遅れを取り戻すことが大きな課題でした。

また、人口減少時代に対応したまちづくりも大きな課題です。かつてのように都市の規模拡大を追求するのではなく、クオリティを高めていくことが大切です。そのためには、AIやIoT、ロボットなどの最先端テクノロジーの進化を積極的に都市経営に採り入れなければなりません。

様々なテクノロジーを利活用するうえで、その最先端を走っているのが楽天さんだと思います。

イノベーションによる
神戸の活性化

――2018年12月、神戸市は楽天と包括連携協定を締結しました。

久元 包括連携協定を締結する前から、神戸市は楽天さんの支援を得て、EC(インターネット通販)を活用した神戸ブランドの発信を行ってきました。

図1 楽天、神戸市による包括連携協定の主な内容

 

また、楽天グループが展開する電 子図書館サービス「Rakuten OverDrive」の活用が2018年6月から始まっており、市民がインターネット上で図書館の本を読めるようになりました。同サービスは、童話の本を英語で読み上げることもできますから、子どもたちが英語に親しむ機会が生まれています。

2018年12月の包括連携協定では、主に6つの取り組みを進めています(図1)。その1つがインバウンドの推進です。現在、インバウンド消費を喚起するために、市内の小売事業者のキャッシュレス対応を支援しています(写真1)。

(写真1)神戸市は楽天と連携しながら、市内の事業者のキャッシュレス対応を進めている

楽天さんは、サッカーJ1「ヴィッセル神戸」主催試合時のノエビアスタジアム神戸での決済について、完全キャッシュレス化に取り組んでおられます。こういったキャッシュレス技術など、楽天さんが有している専門的な知識を得ることは地域の事業者にとって大きな意味があります。

今年開催される「ラグビーワールドカップ2019」では、神戸市で4試合が行われますから、数多くの外国人の来訪が期待されます。神戸市は、外国人から見た地域の魅力を、SNSを使って英語で発信する「KOBE PR アンバサダー」事業も進めており、インバウンド推進に力を入れています。

――他には、どういった取り組みを進めていますか。

久元 大学等と連携した人材育成支援にも、「楽天技術研究所」とともに取り組んでおります。市内の学生がテクノロジーを活用しながら地域課題などの解決に挑むインターンシップを、楽天さんの神戸支社で2019年の夏休み期間(7月~9月頃)に実施して頂きます。

このインターンシップでは、楽天さんが展開する70以上のサービスを活用し、地域内のコミュニケーションの活性化やリアル空間でのオンライン情報の活用、繁忙期の人手不足解消、外国人旅行客の応対など、学生が神戸市内の店舗や宿泊施設が抱える課題の解決に取り組みます。

神戸市には24の大学が存在し、数多くの学生がいます。学生が最先端のテクノロジーに触れ、自ら考え、課題を発見し、解決にチャレンジする経験を通じて、起業する若者が出てくるかもしれません。神戸市は近年、スタートアップ育成に力を入れていますから、今回のインターシップは大きな意義があると感じています。

また、楽天さんが持つAIのノウハウを活用し、行政の窓口でAIスピーカーの実証実験を実施します。行政の担当部署は多岐にわたるため、役所を訪れた市民にとっては、どこで必要な手続きをすれば良いのか分かりづらいところがあり、区役所等の窓口にAIスピーカーを設置して自動案内すれば、市民の利便性を高められます。

この数年、神戸市は行政サービスのIT化を急速に進めています。単純な業務はできるだけ省力化・無人化し、そこで浮いた人員は、市民一人ひとりに寄り添うような対人サービスに重点配置していきます。

民間との連携を深め、
新たな気づき、発想を得る

――民間企業との連携について、今後の方向性をどのように描いていますか。

久元 人口減少は、家族構成の変化をもたらします。「標準世帯」は夫婦と子ども2人を意味しますが、それが近年は「標準」でなくなり、今後、高齢者だけの世帯や高齢単身者も増えていきます。以前ならば家族の中で解決されていた問題に地域で取り組む必要があり、行政には多様な役割が求められます。

しかし、行政職員を増やすことは現実的ではありません。人員が限られる中で、業務を効率化し、職員が前向きに市民サービスの更なる向上を図っていくためには、テクノロジーの活用が不可欠です。また、楽天社員のワークスタイルに触れることで、職員の仕事の仕方の改善にもつながるのではないかと期待しています。

神戸市のような大都市の自治体は、取り組むべき課題が多岐にわたります。地域の課題は無限にありますから、自分たちが何をしなければならないのかを、民間の事業者とも徹底的に議論する。そこから新たな気づき、発想を得ることができます。

私は、「未知との接触」がイマジネーションの源泉になると考えます。神戸市は歴史的に海外に開かれた国際都市として、未知との接触によって発展を遂げてきました。楽天さんとの共創も、そうした挑戦の1つです。

楽天さんはECにとどまらず、社会にインパクトを与える革新的なテクノロジーを活用したビジネスを展開しておられます。楽天さんとともに、神戸市の課題解決につなげられることは、まだまだあると考えています。

 

楽天株式会社への

お問い合わせ


楽天株式会社
地域創生事業 地域活性課
Tel:050-5817-3600
Mail:ec-area-support@mail.rakuten.com
URL:https://www.rakuten.co.jp/

 

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