2019年4月号
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地方創生の実践へ 議会質問のヒント

自治体が陥る「認知度向上」の呪縛 手段の目的化から脱却を

牧瀬 稔(関東学院大学 法学部地域創生学科 准教授)

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自治体のシティプロモーションを観察すると、ロゴマークや動画等を制作することが目的化し、それらを「使わなくてはいけない」という思考に染まっているケースも少なくない。今、戦略性なき「認知度向上」の呪縛から抜け出し、そのあり方を考えていく必要がある。

シティプロモーションの
前提は「認知度の向上」

シティプロモーションに関連して、認知度の向上に取り組む自治体が多い。中井町(神奈川県)の「中井町シティプロモーション戦略指針」には、ロゴマークをつくり「『里都まち』をより一層活用することにより、町のイメージと認知度を高めていきます」と記している。 

鹿沼市(栃木県)の「鹿沼市営業戦略指針」にも「鹿沼市を『いちごのまち』としてみなさんに覚えていただき、認知度の向上とイメージアップをさらに向上させていくため、『いちご市』をシティプロモーションのスローガンとさせていただきました」とある。

両市以外にも、シティプロモーションのとっかかりとして、認知度の向上に取り組む自治体は多い。認知度の向上に取り組むことは、ある意味、当たり前である。人は知らいないところに行かないし(交流しないし)、住まないからである(定住しない)。認知されてこそ、交流や定住といった次の段階に進む可能性がある。

今回は、「認知度」が議会でどのように取り扱われてきたかを確認する。

図表1 都道府県における「認知度」の質問回数

出典:全国47都道府県議会議事録横断検索

 

議会質問における 「認知度」の動向

議会において「認知度」が取り上げられた動向を確認する。図表1は過去、都道府県議会別に「認知度」が取り上げられた回数である。地方圏や都市圏に関係なく「認知度」は全般的に登場している。多くの議会で「認知度」は注目されていることが理解できる。

図表2は各都道府県議会における「認知度」の質問回数の推移である。1999年に認知度に関するトピックスが登場している。その後、右肩上がりで拡大してきた。急拡大した時期は、2000年、2006年、2008年になる。それぞれの理由を推察すると、2000年は地方分権一括法が施行された年であり、国と自治体の位置づけが変化した。そして都市間競争がスタートした時期でもある。自治体は認知度の向上を達成することで、都市間競争の生き残りを模索したと考えられる。

図表2 「認知度」の議会質問の推移

出典:全国47都道府県議会議事録横断検索

 

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