2019年3月号
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地域活性のアイデア

群馬県川場村の道の駅 「何もない」地域に180万人が訪れる理由

永井 彰一(川場田園プラザ社長)

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都会から地方にでかけて、地元の方によく言われるのは、うちの地域には「何もない」。群馬県川場村も、かつては、そのような地域の一つだった。しかし今や、年間180万人を集客する道の駅が誕生。地域独自の魅力的なコンテンツを揃え、活況を呈している。

川場田園プラザの全景。テーマパークのように魅力的に統一された店舗、景観が楽しめる

群馬県の川場村は、武尊山の麓に広がる人口約3300人の自然豊かな農村地域。この全国どこにでもありそうな小さな村に年間180万人を集客する施設がある。それは、村が1997年に登録した、道の駅「川場田園プラザ(通称田プラ)」である。

昨今では「道の駅」を地域経済の振興拠点として活用する動きが高まり、2018年4月時点で全国に1100カ所以上も存在する。数ある道の駅の中でも田プラは、継続的に地域貢献している道の駅として、2014年に国交省選定の「全国モデル『道の駅』【6駅】』に認定された。田プラは、今や地方創成の成功モデルケースとなり、国内はもとより、海外からも視察団が訪れるようになった。だが、ここに至るまでの道のりはけして平坦ではなかった。

徹底的な意識改革で
社員に経営者視点を養成

川場村の第三セクターとしてオープンした田プラは、2007年に赤字に転落。この窮状を打開するため、村から立て直しを懇願されたのが、田プラの代表取締役 永井彰一氏である。永井氏は、就任当時の田プラについて、「パイロット事業という逃げ道、薄い危機感、コスト意識の欠如など、民間企業と行政の悪いところをミックスした感じで、『いらっしゃいませ』や『ありがとうございました』の挨拶すらきちんとできない状況でした」と振り返る。

そこで永井氏は徹底的に全スタッフの意識改革に取り組む。まず、村に白紙委任状を要求し、経営に「行政の都合」が入らないようにした。そして全スタッフのヒアリングを行い、今後の方針はすべて社長である自分が決めることを宣言。そして各部門間の壁を取り払う委員会をつくり、自分の持ち場以外は関係ないという風潮を一掃した。

永井彰一 川場田園プラザ社長

さらに、2カ月に1度営業会議を開き、各部門の責任者が作成した月次計算書をもとに業績の進捗を確認し、翌々月までの行動計画も確認した。この営業会議は現在も経営戦略会議と名称を変えて開いており、年間約1000項目の「永井彰一指示指摘事項」の進捗確認が行われている。

永井氏は言う。「三セクがダメになるのは、経営という観点が抜けているからです。経営戦略会議は、社員にコスト意識を持たせ、設備投資、人材育成、商品開発など、多方面から経営者視点を育成することが目的です」。

全スタッフのディズニーランド(TDL)視察では、乗り物には一切乗らずに、「レストランでスープをこぼして、TDLスタッフの対応をみる」など、永井氏のミッションを実行させた。TDLの「一流のおもてなし」を体感させて、接客クオリティを向上させることが狙いであった。こうした意識改革の結果、スタッフは仕事に誇りややりがいを感じるようになった。最近ではIターンの若者など、求職者が増え、「田プラに永久就職したい」という声も聞かれるようになったという。

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