2018年12月号
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IoTの新ビジネス

世界初、犬のココロを読み解く 「人」の領域への応用も視野

山口 譲二(ラングレス 代表取締役CTO)、山入 端佳那(ラングレス 代表取締役CEO)

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重さ約100gのハーネス型の装置を犬に着けると、その犬の気持ちが光の色で表現される。世界初のデバイス『INUPATHY(イヌパシー)』を開発したベンチャー企業、ラングレスは、「言葉を超えたコミュニケーション」を「人」の領域でも活用することを目指す。

『イヌパシー』は、犬の気持ちを光の色で表現。「リラックス(緑)」「興奮(オレンジ)」「ストレス(紫)」「興味津々(白)」「ハッピー(虹)」の表示パターンがある

『イヌパシー』は、犬の感情を光の色で表現する。解析できるのは「リラックス(緑)」「興奮(オレンジ)」「ストレス(紫)」「興味津々(白)」「ハッピー(虹色)」の5つの感情だ。

なぜ、犬の気持ちを読み解くことができるのか。ラングレスの創業者であり、CTOの山口譲二氏が注目したのは心拍数だ。人間の場合でも、緊張すると心拍数(脈拍)が高まるように、心拍数と感情には密接な関係がある。山口CTOは犬の心拍数を測定する専用センサーを一から開発し、『イヌパシー』を実現したのだ。

開発に成功するも「死の谷」に

大学で動物の行動について研究していた山口CTOは、前職のSE時代、愛犬の気持ちをより理解したいと、2010年から『イヌパシー』の開発に着手した。

山口譲二 ラングレス 代表取締役CTO

「最初の頃は人間用の心拍計を犬に装着したり、犬に寝っ転がってもらって、聴診器で心拍を測定していたりしました。犬の寛大さに助けられて、開発できたのだと思います(笑)」

従来のペット用心拍センサーは、測定のために毛を剃ったり、導電ゲルを塗ったり、水で濡らしたりする必要があった。それでは日常の中で、愛犬とコミュニケーションをとるデバイスにはならない。

山口CTOは2014年、犬に負荷をかけずに毛皮の上からでも心拍を測定できるセンサーを完成させ、2015年に起業した。しかし、プロトタイプは出来ていたものの、事業化は簡単ではなかった。

「量産を見据えた設計や部品選び、安全性や品質保証、認証試験……。製品がどうやって世の中に出ているのか、知っているようで知らなかったんです。さらに、事業としての継続性も重要になる。一時期は辛かったですね。求められることがたくさんあるのに、自分の能力が研究や技術に偏っていて、まったく追いついていませんでした」

現在、3Dプリンタの登場もあり、低コストで試作品がつくれるようになった。しかし、開発フェーズを乗り越えたとしても、生産体制を整えて事業化するまでには大きなハードルが存在し、それは「死の谷」とも呼ばれる。

2017年、ラングレスは「死の谷」の底にあった。そこに飛び込み、同社を浮上させるべく心血を注いだのが、現在CEOを務める山入端佳那氏だ。

山入端佳那 ラングレス 代表取締役CEO

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猫好きで自身でも動物関連の団体を立ち上げていた山入端CEOは、2016年に山口CTOと出会い、そのビジョンに共感。イヌパシーの開発を手伝うようになった。2人は『イヌパシー』をよりユーザーに受け入れられるプロダクトにするべく、改良を重ねた。

「犬を飼っている人たちにアンケートしたところ、約8割が自分は愛犬のことを理解しているという回答でした。ただ、実際にどの程度理解しているのかという点になると、約4割が『わからない部分もある』。心拍の変化は、シッポや表情、ボディランゲージよりも正直です。長年連れ添ってきた愛犬との間にさえも、新たな発見をもたらします」(山入端CEO)

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