聴診器に200年ぶりの革新を 若き医師が描く医療の未来像

「超聴診器」の開発で注目されている熊本県水俣市のスタートアップ、AMI。心疾患の早期発見や、遠隔医療への活用が期待される商品だ。小川代表は現役の医師であり、臨床現場での気付きからプロダクトやサービスを次々と生み出している。

小川 晋平(AMI代表取締役、医師)

100万人に潜む
大動脈弁狭窄症リスク

日本に100万人もの潜在患者がいると言われている大動脈弁狭窄症。心臓の大動脈弁が硬化し、血液が流れにくくなる病気であり、症状が進行していくと心不全や突然死を引き起こす。特に高齢者に多い病気であり、超高齢社会を迎える日本にとって無視できない課題だ。

AMIの開発する「超聴診器」(正式名称は大動脈弁狭窄症自動検出機能付遠隔医療対応聴診器)は、胸に当てて心音や心電を分析し、わずか数秒で大動脈弁狭窄症の兆候を診断できる装置だ。2017年10月にNEDOの研究開発型ベンチャー支援事業に採択されており、この7月からは臨床試験がスタート、3年後の医療機器認証取得を目指している。さらに超聴診器を使った遠隔医療の実証プロジェクトもまもなく始まる。

「超聴診器を使って大動脈弁狭窄症などの心疾患の早期発見に少しでも貢献したい」とAMIの小川晋平代表は話す。

AMIが開発中の「超聴診器」。胸に当てて心音や心電を分析、大動脈弁狭窄症の兆候を診断する

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