自治体のAIチャットボット活用が広がる ごみ分別や観光地案内
人工知能(AI)が会話を行う「チャットボット」を、コミュニケーション・ツールとして活用する自治体が増えている。ごみ分別や観光地案内など、様々な目的での利用が始まっている。
チャットボットを簡単に作成
国内では今後、15歳から65歳の生産年齢人口が急速に減少し、それに伴い生産力が低下することが懸念される。人口減少は特に、地方において深刻になると予想されている。「このような状況で、生産性の向上や効率化を進めることが急務です。AIを活用したチャットボットの利用は、その対策の1つになると考えられます」
NTTドコモ イノベーション統括部クラウドソリューション担当の小林拓也氏は、こう指摘する。NTTドコモは株式会社インターメディアプラニングと共に、問い合わせ対応チャットボットを簡単に作成できるサービスの「Repl-AI(レプルエーアイ)」を共同開発し、提供している。
「チャット系サービスはビジネス・シーンでも普及し始めており、特に企業が顧客とコミュニケーションをとるカスタマーサポートなどで導入が進んでいます」チャットはメールより速く応答でき、複数のユーザーの問いに同時に応えることも可能だ。また、テキストベースで記録が残せるほか、資料も送信できる。さらにユーザーはメールアドレスや電話番号を知らせずに問い合わせできることが多いため、匿名性が守られ、利用しやすい。
一方、カスタマーサポートの業務では苦情への対応が必要になることも多く、オペレーターの離職率が高いほか、オペレーターによって応対の質が異なるといった課題もある。
「AIによるチャットボットなら、これらの課題への対応もできます。顧客の問い合わせへの対応の多くをAIに任せ、AIだけでは難しい場合には、人が対応するといった組み合わせが良いと思います」
Repl-AIは低価格で導入できるのもメリットで、基本的な機能の利用は無料だ。LINEやFacebook Messengerをはじめとする外部システムと連携させることもできる。
粗大ごみの案内や
スタンプラリーへの活用も
AIを利用したチャットボットの活用は、自治体でも広がっている。横浜市資源循環局は2018年4月から、Repl-AIを活用した「イーオのごみ分別案内」を本格導入した。夜間や休日も含め、問い合わせにきめ細かく対応できることから利用者に好評だ。昨年は総務省の「ICT地域活性化大賞2017」で、奨励賞を受賞した。「横浜市以外の市民の方からもご自身の自治体での導入を希望する声を多くいただいています。多くの自治体への導入支援を行っていきたいと考えているため、興味のある方はぜひご相談ください。」
チャットボットは画像認識技術等と組合せることで、画像や動画に対し、回答させることもできる。例えば、自治体への提出が必要な書類の画像を事前に送ってもらい、画像認識によるチェックを行った上で提出するといった利用法も考えられるという。
AIを活用したチャットボットには、自治体サービスの向上でも幅広い可能性がありそうだ。
お問い合わせ
Repl-AI(レプル・エーアイ)
NTTドコモ×インターメディアプランニング共同開発
Mail:repl-ai.info@ipi.co.jp
URL:https://repl-ai.jp/
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