ロボットは「新しいメディア」 BtoBに商機、自販機の中にも設置

目の前にいる人を検知して、ロボットのほうから話しかける。しかも、画像解析で年齢や性別を判別し、お薦めの商品やお店を知らせてくれる。ハタプロのロボット『ZUKKU』は、大手を中心に約100社が導入。商業用途に特化したことで、普及の足掛かりをつかんだ。

伊澤 諒太(ハタプロ 代表取締役)

全長わずか10㎝、手のひらサイズでフクロウ型の愛らしいマーケティング支援AIロボット『ZUKKU(ズック)』の導入が進んでいる。サッポロビールがスーパーでの販促支援のために導入したほか、パルコや新宿伊勢丹、ヨドバシカメラ、丸ビルなどでも実証実験が行われた。

大手も注目する小型AIロボット、ZUKKUを開発したのは2010年に創業したベンチャー、ハタプロだ。

手のひらサイズのマーケティング支援AIロボット、ZUKKU。機能を絞り込み、安価で手軽に導入できるようにした

大手とのアライアンスでも実績

ハタプロは2017年にZUKKUを開発したが、それ以前からIoTデバイスの受託製造を手掛け、ソフトウェアとハードウェアの両面で実績を築いてきた。台湾にも拠点を設立しており、台湾政府の經濟部(経済産業省)や工業技術研究院とも協業している。

ハタプロ代表の伊澤諒太氏は、「台湾はハードウェアに強い国です。国内外でソフトとハードを組み合わせた開発案件に数多く携わり、IoTを手掛けるものづくりベンチャーとして名を知られるようになりました」と話す。

2016年からはNTTドコモと共同でIoTに特化した受託製造・事業化支援サービスを行うなど、大手とのアライアンスも展開。自動車メーカー、電機メーカーなど様々な企業をパートナーに製造開発を担ってきたが、自社ブランドの小型AIロボットに進出したきっかけは、車載用のデバイスを手掛けたことだ。

「もともと車載向けに、ドライバーとのコミュニケーション機能を備えたAI搭載のIoTデバイスを開発していました。車のドリンクホルダーに収まるサイズで、それがZUKKUの原型です。IoTベンチャーの中には、ものづくりに初めて挑戦するような企業もありますが、ハタプロは技術的な基盤を持ち、その強みを活かした新ビジネスとしてロボット事業を始めました」

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