数字で見る「ふるさと納税」 地域への経済波及、本当の効果

ふるさと納税によって地方創生への一定の成果が見えてきた。一方で、返礼品合戦がヒートアップすることで、制度の趣旨が歪められる事態を招き、持続可能性を疑問視する声も見られる。当制度の健全な発展のため、事業構想大学院大学では全国初となる寄附者意向のアンケート調査と、地域への経済波及効果分析を実施した(協力:飯田市、さとふる)。

1.寄附者意向調査

1.目的:ふるさと納税制度の健全な発展のために、返礼品率と返礼品の変化により、どのように寄附者の意向が変化するのかを明らかにし、各自治体の制度運用の参考になる情報を提供する。

2.調査概要
(ア)調査方法
・調査方法:インターネットモニター調査により標本抽出を行った。
・調査期間:
 スクリーニング調査
 平成29年9月15日~平成29年9月21日
 本調査
 平成29年9月22日~平成29年9月26日

(イ)スクリーニング調査
本調査を実施するにあたり、以下の条件の人を抽出するために実施
「ふるさと納税を過去1年間に実施」「「自治体指定寄附」ではない(少しでも返礼品があるから実施している)」「今後1年も実施意向がある」「年収と世帯年収について回答している」
これにより、調査人数39,596人から上記条件に当てはまる3,258人を抽出した。

(ウ)本調査
上記によるスクリーニングされた3,258人に対して、寄附意向調査をおこなった。年齢階層については日本の人口比になるよう調整を行い、調査対象の返礼品については、5種類ずつ2つのグループ(A、B)に年齢階層が均等になるように分けた、(表1参照)。2つのグループは下記の通りであり、5つ小分類ごとに1つの返礼品を選択している。

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