本気の子ども支援策で人口増 兵庫県明石市

交通アクセスの良さを武器に、ベッドタウンとしての発展を目指す明石市。一人目の子を持つ夫婦が、二人目を産む場所として新住民を集め、人口増につなげた。プロモーションのベースにあるのは、どの子も見捨てないという本気のポリシーだ。

明石市内のファミリー向け新築マンションや戸建てのチラシ。各ディベロッパーが子育て世代に物件をPRする際に、明石市が用意した様々なデータを用いている

東西に大都市が位置する海沿いの歴史ある城下町。市域が狭く広い土地がないことから、大規模な工場誘致は行っていない。新しい住民を呼び込み、人口を増やす際に、有利な条件が揃っているとは言いがたい状況を克服し、明石市の人口は2013年以降、一貫して増加している。2017年8月には、過去最高の29万5,557人となった(2017年11月1日現在29万6,192人)。このままの増加傾向が続けば、2018年度には、同市の人口は30万人の大台に乗る。

明石市の泉房穂市長は、この人口増を達成したプロモーション戦略をシティープロモーションサミット2017で熱く語った。「小さな市だが、神戸市や姫路市から、子育て層が流入している」と、泉市長は胸を張った。

明石市のプロモーション戦略を支えているのは、強固な理念だ。市が置かれている状況を客観的に把握し、誘致したいターゲット層に狙いを絞り、官民で協力して子育て世代を住民として呼び込んだ。

泉 房穂(兵庫県明石市長)

「子育ての明石」を施策で示す

明石といえばタイやタコなどの海産物が有名であり、泉市長も代々続いた明石の漁師の家系だが、大学進学で上京し、NHK職員や衆議院議員を経て、2011年からは明石市長を務めている。

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