FinTechの本質は「情報」 金融を超えて広がるチャンス

情報技術(IT)や人工知能(AI)の進歩を背景に新しい技術を使った金融ビジネス、FinTechに注目が集まっている。FinTechの本質とは何か、そして、その技術をどう活用しビジネスにつなげていくのか。経済学の視点から考察する。

柳川 範之(東京大学大学院 経済学研究科 教授)

金融と他産業との垣根がなくなる

「FinTechには様々な切り口がありますが、その一番大きなポイントは技術革新によって情報の流れが変わりだしたことにあります」と、柳川教授。

FinTechといえば金融産業や銀行の話だと思いがちだが、そのエッセンスは実は金融にはない。むしろ金融以外の分野に大きなビジネスチャンスがやってきているという。

金融とは、モノを貸したり、借りたり、支払いをしたり、お金が動くが、その本質は情報にある。銀行は普通の預金者が知らない情報を握っている。ここに投資すれば必ずお金が還ってくる・伸びるといった情報を元にお金を貸す。金融仲介業は情報生産業だ。技術革新によって情報の流れが変われば、金融業が大きく変質していくのはごく自然の流れと言える。

「FinTechの大きなビジネスチャンスは、金融が金融でなくなっていく、他の産業との垣根がなくなっていくところにあります。FinTechを小さな金融の中に閉じ込めてしまえば、そこにはビジネスの発展はありません」(柳川教授)。

これまで銀行は預金口座の情報を元にお金を貸すビジネスを行ってきた。ところが今、楽天やFacebookなど、銀行よりも遥かに企業や個人の情報を握る会社が出現している。今まで金融とは無関係だった所に情報が溜まり、その情報を活用することで金融サービスができるようになる。これが、FinTechで広がった大きなビジネスの一つ。

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