三重のウェブ会社が開発した「魚のベビーフード」、首都圏を席巻

いま、オンライン販売で売り上げを伸ばしている魚のベビーフード「mogcook(モグック)」。三重県紀北町のウェブ・広告製作会社が地元の水産業界と提携し、開発した。異色のベビーフード誕生の経緯と、母親たちの人気を集める理由に迫る。

立花 圭(ディーグリーン取締役)

三重県紀北町でウェブや広告物の製作を手掛ける企業が開発した異色のベビーフード「mogcook(モグック)」。昔ながらの漁師町で「魚まち」とも呼ばれる紀北町で水揚げされた魚を地元で加工したベビーフードが、首都圏を中心に母親の支持を集めている。

製造販売を手掛けるのは、紀北町に拠点を置くディーグリーン(代表取締役:東城氏)。なぜ、まったく畑違いの事業をスタートさせたのだろうか?

モグックの担当者で取締役の立花圭氏が振り返る。「2013年に、紀北町出身で現在は東京で子育てをしている男性から相談を受けたのがきっかけです。その男性は子どもに栄養豊富な魚を食べさせたいのに、東京は魚の種類が少なく、産地もバラバラで安心安全に気を遣うということで、紀北町の魚を使ったベビーフードを作っては?と提案してくれました」

もともとディーグリーンは地元に密着した事業を行っており、地元の生産者や水産加工業者もクライアント。「彼らとのコミュニケーションから、水揚げも売り上げも減少しているという話を聞いていました。弊社が10年後、20年後も生き残るためにも地元を活気づけたいという想いがあり、未知の分野に挑戦することにしました」

ディーグリーンが販売する魚のベビーフード「mogcook(モグック)」

ゼロからの立ち上げで試行錯誤

2013年9月から、試行錯誤が始まった。赤ちゃんが口にするものは、なにか事故があったら取り返しがつかない。まずは、地元の管理栄養士を訪ね、赤ちゃんが食べてもいい魚を尋ねるところから始まった。ベビーフードに関して何の知識もなかったため、厚生労働省の公開情報を参考に、赤ちゃんが摂るべき栄養素なども調べた。

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