映画「クハナ!」に学ぶ、ご当地映画を真に地域に活かす方法
桑名市を舞台にした映画「クハナ!」は、地域住民の熱意が著名脚本家を動かし製作された。映画製作を通してコミュニティが育まれ、現在は桑名市で音楽のまちづくりが進む。地域発映画では異例のヒットである本作。その過程からご当地映画の可能性を考える。
2016年秋に全国30館で上映された三重県発の映画「クハナ!」をご存知だろうか。従来のご当地映画とは一線を画すもので、その取り組みは内閣府・農水省・経産省が後援している「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー2016」の地方創生大賞に輝いた。
プロジェクト成功の鍵は、市民が主体となり、人のつながりと絆をフレキシブルに構築したこと。街に活力をもたらすのに必要なものを再考する手掛かりとして、映画「クハナ!」の製作プロセスを紹介したいと思う。
地域発映画としては異例のヒット
映画「クハナ!」は、大ヒットしたドラマ&映画「アンフェア」の原作者であり、「ドラゴン桜」や「そして、誰もいなくなった」など多くの人気ドラマの脚本家としても知られる秦建日子氏と、三重県桑名市の有志ボランティアがタッグを組み、約2年半かけて取り組んだ映画製作プロジェクトによって生まれた。昨年9月より全国30館にて上映され、プロジェクトの舞台となった桑名市のイオンシネマにおいては70日のロングランヒット。今年6月には大手配給会社ギャガからDVDの発売・レンタル化を果たした、地域発の映画としては異例といえる作品である。
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