挑戦する市民の力を活用 前橋市による「市民分権」のまちづくり

人口約34万人が暮らす群馬県中南部の中核都市である前橋市。同市では、人口減や活力減退の流れにストップをかけるために、市役所が提供するサービスの限界と向き合い、山本龍市長が先頭に立って、市民の力を引き出し、地域活性化に繋げている。

山本 龍(前橋市長)

「きっかけは2014年2月、前橋市を襲った観測史上最大の大雪被害です。交通機関や物流は寸断され、雪かき用具の備えもなかったことから高齢者や障害者が立ち往生するなど、想像を絶するパニックが引き起こされました」この時、一人の市民が声かけをし、市民有志が参加した「前橋いっせい雪かき大作戦」や、それに呼応するようにつくられた災害ボランティアセンター「前橋市大雪たすけあいセンター」、街の辻々にスコップを立てておく「フリースコップ運動」が展開されるなど、市民が主体となった助け合いの輪は一気に拡散したという。

「社会課題は市民一人ひとりの中にあり、市民それぞれの自主性が前橋という都市を動かしていきます。大雪被害を通じて、市役所の会議室ですべてをコントロールしようとするのは誤りであり、頼りになる『市民』を信じ、行政が市民のやる気を受けとめる勇気を持つことが大切であると実感しました」

市民主導のプラットフォーム「前橋○○部」は多様な種類が存在し、市内だけで100を超える

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