イノベーションは特定の地域で起こる 地域活性の世界大会

6月15日~17日の3日間、スウェーデン南西部のトロルヘッタン市のユニバーシティ・ウェスト会場に、第20回ウッデバラ・シンポジウム(Uddevalla Symposium)が開催された。近年は、地域活性分野の世界大会として認知されつつある。

現在は、インキュベーション施設などに生まれ変わっているサーブ本社工場跡地

かつては自動車・航空機で繁栄

快晴のさわやかな日差しと澄んだ空気が心地よい北欧の人口4万人の田園都市、トロルヘッタンに世界20ヵ国から100名の研究者や実務家が集まった。

節目となる今回の第20回大会は、国際化された地域経済におけるイノベーション、アントレプレナーシップ、産業のダイナミクスなどをテーマに活発な議論が行われた。

これまでも、イギリス、ドイツ、イタリア、デンマーク、アメリカ、日本など世界各国の持ち回りで開催されてきたが、記念大会ということもあり、本部の置かれているスウェーデンでの開催となった。

トロルヘッタン市は産業革命以降、自動車産業や航空機産業で発展し、かつては湖からの豊かな水を利用した水力発電から産業が発達し、蒸気機関車の製造も行われていた。

自動車メーカー、サーブの本社工場があったことでも知られる。サーブは残念ながら2011年に事実上経営破たんし、現在は中国企業の所有で工場も中国に移転。今年中にサーブのブランドも消滅の予定だ。かつての工場一帯は、レンガ造りの旧工場の建物を生かして、産業支援センターやインキュベーション施設に生まれ変わっている。

ユニバーシティ・ウェストは、地域の産業構造の劇的な変化に対応するための役割も期待されているのだ。

スウェーデン南西部のトロルヘッタン市のユニバーシティ・ウェスト(University West)が会場

風光明媚なトロルヘッタン市

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