人間の原動力は新しいことに挑戦すること

インターネットの普及によって、消費者は従来の様々な制約から解放された。購入したい商品については詳細な情報を集め、幅広い選択肢の中から商品を選べるようになった。これによって、一般の消費者を対象としたビジネスである「BtoC」の世界は大きく変化し、従来のようなマーケティングでは消費者を理解できなくなっている。このような中で、人工知能を使った顧客データの分析や新商品の開発が、大きな力を発揮している。

世界チャンピオンを負かした「アルファ碁」の衝撃

グーグルによって開発された人工知能(A I)の「アルファ碁(AlphaGo)」が今年3月、史上最強といわれる世界トップのプロ棋士との対局で、4勝1敗で勝利して世界を驚かせた。アルファ碁は前年にも欧州チャンピオンの棋士と5回にわたって対局し、全勝している。

「アルファ碁のインパクトについては、あまり知られていないところがあります。対局でアルファ碁が序盤に打った手に対し、解説していた棋士らが『意味がわからない』、『おそらく間違った手だ』と発言したのです。しかし、終盤になって、この手が重大な意味を持っていたとわかりました。これによってアルファ碁が、人間より広い大局観を持っていることが示されたのです」

人工知能のビジネスへの活用について研究を行っている、楽天執行役員で楽天技術研究所代表の森正弥氏は、アルファ碁が世界に与えた衝撃について、こう解説した。

従来のコンピュータは過去のデータに基づき、局面ごとにあり得る最善で手を打ってきた。しかし、「ディープラーニング」を取り入れたアルファ碁は、これとは異なる。ディープラーニングは脳の処理に非常に近い方式といわれ、これを通じてコンピュータは学習の仕方も自ら学べるようになった。さらに、世界トップの棋士に勝利したアルファ碁は、過去に他のアルファ碁と128万回対決し、学習を重ねてきた。

「これは何を学習しているのかがわからない、外から見えないブラックボックスのような状態です。従来、コンピュータは人間のようなクリエイティビティや大局観は持ち得ないと、多くの人々が信じてきました。しかし、アルファ碁は、もはやそうではないことを証明しました」

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