海士町の人々が見た「移住者」 「Iターン者」という言葉は不要

大胆な施策で、地方創生の先駆けとして注目を集める島根県海士町。約2400人の居住者のうち、2割は他所から移住した「Iターン者」とされる。増加傾向にあるIターン者と、迎え入れる地元の人々は、どのように関わりを築いてきたのだろうか。

菱浦港全景。空港を持たない海士町では、ここ菱浦港が玄関口となる

隠岐4島はいずれも1島1町(村)の仕組みをとる。2番目に小さな島である中ノ島は1950年代に7000人弱の人口を抱えるも、その後ゆるやかに減少。同時に財政難にも直面。「第2の夕張市」になるのではという懸念も生まれるなか、さまざまな施策により、急場を回避。「元気な島」という印象を訪れた人々に与えるに至りつつある。

その中ノ島に位置するのが海士町(あまちょう)だ。町の軸となる産業の一つとして、漁業が挙げられる。が、離島ゆえ鮮度を保ったまま出荷することは難しく、本土の市場での競りへ出荷すると値落ちは避けられない。

そこで、CAS(Cell Alive System)という解凍後、食味を保ったまま生食可能な冷凍技術を持つ設備に投資。年中水揚げのあるイカや養殖イワガキとしてブランド化した「いわがき春香」などをCAS凍結し、都会の飲食店を中心に出荷している。独自の流通体制を整えたかたちだ。

門昌之さんが勤務するCAS(Cell Alive System)凍結センター。特殊な冷凍技術を導入することで離島ゆえのハンディを克服。町内に揚がった海産物の新鮮さを保ったまま冷凍し全国へ出荷されている

「海士に残る」ことの意味

そのCAS凍結センターに勤務する門昌之さん(28)に話を聞いた。門さんは海士町生まれ。町内にある県立隠岐島前高校を卒業後、設立2年後の同センターに就職。水産加工工場の現場で、入れ替わりの激しいIターンでの就業者たちをどう見ているのだろうか。

「とにかく人の入れ替わりは激しいが」と前置きし、「働き続けることができるかどうかは、UIターン、地元の人間、関係ない。仕事や職場環境になじむことができれば、続ける気持ちになれるのは、どんな場所でも同じなのでは」と冷静な口調で話した。

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