奈良県明日香村 古都を巡るEV×観光の新ビジネス
飛鳥時代の史跡や文化財が残る、奈良県明日香村。歴史という観光資源に甘んじず、EVレンタルや民泊、SNS活用などの新しい仕掛けを取り入れ、観光産業の育成に成功している。
奈良県の中央部に位置する、人口約6000人の明日香村。遡ること約1400年前、中央集権律令国家が誕生し、国号を倭国から日本に改め、日本で初めての首都が置かれたとされる歴史的な場所である。
古都保存法と明日香村法という、歴史的風土を保存することを目的とした2つの法律に守られてきたこの村は、飛鳥時代の伝統や人々の営みを感じる史跡や文化財が数多く残る。この日本誕生の地であり、長きに渡り歴史を紡いできた古都で、今、新しい観光の取り組みが始まっている。
明日香村特有の交通課題
明日香村の観光課題の一つは二次交通にあった。「明日香村の二次交通手段は自家用車かレンタサイクルに限られていました。しかし、道路開発が法律で制限されているため、車では入れない狭い道が多数あります。また、起伏が激しいため自転車で行ける範囲にも限りがありました」と、一般財団法人明日香村地域振興公社の打越祐介氏は話す。
もうひとつの課題は、良くも悪くも史跡や文化財という観光資源に縛られてしまうこと。大阪から1時間というアクセスの良さも影響し、従来から一定数の観光客は訪れていたが、それは一部の歴史ファンに限られていた。
しかし、先述の2つの法律によって開発が制限されてきたことを好機として、昔ながらの美しい田園風景が広がる場所でもあった。こうした景観も観光資源として人々を魅了する可能性が高い。
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