タニタ、「まちづくり」に挑戦 「健康」で人を呼び込む

まちへの回遊を促し、楽しみながら健康になる。従来、行政が担っていた住民の健康増進を、企業が支援することで、新たなサービスが生み出されている。今、自治体に対する健康プログラムの提供に力を入れているのが、タニタだ。

新潟県長岡市の「タニタカフェ」。ヘルシーな食事やスイーツを提供するだけでなく、足湯やハンモック席などのリラクゼーションスペースを備えるなど、健康の3要素である「食」、「運動」、「休養」を実践できる新しいタイプのカフェだ

タニタが、「まちづくり」に乗り出している。自治体に対して、住民の健康増進を支援するだけでなく、人を呼び込んでまちを活性化したり、ヘルスツーリズムを企画したりするなど、地域の課題に応じたサービスを提供している。

もともとタニタでは、2008年頃から全社員に歩数計や活動量計を持たせ、日々の活動や体組成の変化を「見える化」することで、年間約1割の医療費削減につなげた実績を持つ。社内で実施していた「タニタ健康プログラム」をブラッシュアップし、地域へと展開したのが自治体支援事業の始まりだ。

自治体・企業向けに健康づくりの提案を行うグループ会社、タニタヘルスリンク取締役マーケティング担当の土志田敬祐氏は、こう語る。

「以前から多くの自治体が健康施策を行っていました。しかし、その成果を『はかる』ことは、あまり行われていなかったのです。当社は健康計測機器メーカーであり、社内の健康プログラムにおいても、当たり前のように『はかる』ことから始めて実行・改善につなげていました。ところが、外から見ると、その仕組みに価値があったんです」

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