2016年4月号
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プロジェクトニッポン 鹿児島県

Made in Franceの鰹節が誕生へ 枕崎水産事業者の挑戦

枕崎水産加工業協同組合

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鰹節生産日本一の枕崎の水産加工会社らが、フランス進出を目指している。それも輸出ではなく、現地生産という大胆な試みだ。和食の根幹を支える鰹節を広めるため、地域一丸となった挑戦が始まる。

枕崎市は日本一の鰹節生産量を誇る

枕崎市の港湾と市街地

「体験」から「買い物」へ誘導

新鮮な食材の味を引き出し、健康にも優しい和食は、欧州を中心に世界的なブームとなっている。2013年にはユネスコ無形文化遺産に和食が認定され、いまや世界中の国で日本食レストランを楽しめるようになった。

和食の味の基本、出汁を形成する大切な要素には、ご存知の通り鰹節や昆布がある。鹿児島県枕崎市は、日本一の鰹節生産量を誇るエリアだ。豊かな海はもちろん、煮熟に欠かせない良質な水、温暖な気候といった枕崎の特色を活かして、1707年に紀州(和歌山)から鰹節製法が伝わって以来、高品質な鰹節を作り続けてきた。

そんな枕崎で、フランスへ鰹節製造工場を建設するプロジェクトが動き出している。枕崎水産加工業協同組合の組合員企業数社が出資し、2014年4月に株式会社枕崎フランス鰹節を設立、今年夏頃からの現地生産に向けて、着々と準備が進められている。

「出汁のことを海外ではジャパニーズ・スープなどと呼んでいましたが、最近ではそのまま『dashi』という呼称を使い始めているようです。和食が広まるとともに、出汁もまた認知されてきたのでしょう。鰹節もまた、『Katsuobushi』として少しずつ知られてきています」と、枕崎水産加工業協同組合の小湊芳洋参事は話す。

水産加工の盛んなフランス・コンカルノー市に工場を立地 Photo by Kestrel29

フランスの和食への危機感

そもそも、フランス進出プロジェクトが始まったのは2013年。財団法人・食品産業センターが地域食品ブランドを認定する「本場の本物」の枕崎鰹節の本枯節が、同年5月に飛騨・高原山椒や奥久慈凍こんにゃくなど日本を代表する5品目のひとつとして、フランスの食の祭典「Rencontres de Cambremer」へ招待を受けた。

このフランスの食の祭典に参加したのは、枕崎水産加工業協同組合の西村協組合長と今回新しく設立された株式会社枕崎フランス鰹節の代表を務める大石克彦氏。その地で2人はショックを受けることとなる。

ひとつは厳しい輸出環境。食品衛生基準が世界で最も厳しい欧州において、300年変わらない製造工程を守り続けている鰹節は輸出することもままならない。現地へ行った2人はフランスにある和食店を視察してみたが、そこで味わった料理も、出汁の効いていない味気ないものだったという。

「和食店なのに鰹節が使われていない。この現実に直面し、『輸出できないのなら、いっそのこと現地に工場を作ってしまおう』といったアイデアがフランスからの帰りの飛行機で生まれました」。出汁の効いていない和食が広まることへの大きな危機感が2人の胸にあった。

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