2016年3月号
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プロジェクトニッポン 滋賀県

「稼ぐ」ガソリンスタンドを発明  エネルギーの地産地消を実現

青山 裕史(油藤商事 専務取締役)

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てんぷら油で車が走る――。地域の廃食油を回収し、バイオディーゼルを精製・販売。ガソリンスタンドを「資源ゴミの回収ステーション」に刷新し、収益化を実現。油藤商事の取り組みに、全国から視察が相次いでいる。

バイオディーゼル燃料(BDF)を使用しているゴミ回収車。油藤商事の取り組みが発端となり、BDFの利用が、さまざまな企業・自治体で広がっている

滋賀県豊郷町といえば、人気アニメ『けいおん!』の聖地として全国からファンが集まる旧豊郷小学校校舎が有名だ。そしてもう一つ、全国から多くの視察者が訪れる場所がある。油藤(あぶらとう)商事が経営するガソリンスタンドだ。

価格競争が激化し、苦戦するガソリンスタンドも多い中、滋賀県に3つの店舗を構え、着実に売り上げを伸ばしている油藤商事。同社の4代目となる青山裕史専務は、その成功要因を「ガソリンスタンドという業態が持つポテンシャルにある」と言い切る。

青山裕史 油藤商事 専務取締役

キーワードは「静脈物流」

創業は、1897(明治30)年。カンテラ油(灯明に使用する菜種油)の行商から始まり、1959年にはガソリンの販売を手掛けるようになった。地域密着で発展してきたとはいえ、青山専務は危機感を募らせていた。

「ガソリンスタンドは大気汚染につながる燃料を供給し、不法投棄の代名詞であるタイヤも扱い、洗車場では合成洗剤を使った廃液をたくさん出すなど、環境負荷によるマイナスイメージも大きい業態です。加えて、これからは電気自動車の普及などで『脱ガソリン』の時代がやってきて、いずれは無くなるかもしれない。でも、『何ができる?』と改めて考えると、実はポテンシャルがあることに気づいたのです」

青山専務が考える、これからのキーワードは「静脈物流」だ。

「私は本が好きで、よくネットで注文します。昨今はネット通販が驚くほど発達していて、昨日注文したものが今日届きますよね。しかし、これを返品しようとするとかなり面倒。つまり1ヵ所から方々へ物を運ぶシステム(動脈物流)は充実しているのに、方々から一ヵ所に集めるシステム(静脈物流)ができていないのです」

こうして始めたのが、「地域の資源ごみ回収ステーション」だ。

油藤商事は、ガソリンスタンド内に廃食油の専用回収ボックスを設置。一般家庭から廃食油が持ち込まれる

スタンドが秘める「潜在力」

具体的には、油藤商事は、使用済みてんぷら油(廃食油)や空き缶、牛乳パック、ペットボトル、廃タイヤ、廃オイルなど有価廃棄物(資源ごみ)をガソリンスタンド店頭で回収、必要としている業者に引き取ってもらうことで、再資源化の一端を担う。

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