産業用ロボットに「目と脳」を 世界が注目する大学発ベンチャー
立命館大学の教授が立ち上げたベンチャーが、世界的な注目を集める。産業用ロボットの「目と脳」になる世界初の技術、「3次元ビジョンセンサ」を武器に、グローバルマーケットに挑む。
世界最先端の技術力を誇るベンチャーが、滋賀県にある。世界初の技術「3次元ビジョンセンサ」を開発した三次元メディアだ。
三次元ビジョンセンサは、物体の計測と認識に関する技術であり、産業用ロボットの「脳と目」になる。従来の産業用ロボットには、自ら“判断”する機能はなかった。三次元ビジョンセンサを搭載することで、例えばランダムに部品が置かれた箱の中から必要な部品を選び出すという、これまでは人間にしかできなかった作業ができるようになる。
この技術は、対象物が一定の位置にあることが前提だった産業用ロボットに革新をもたらす。作業のさらなる自動化・効率化につながる技術として、世界的な注目を集めている。
大学発ベンチャーを先駆ける
三次元メディアは、立命館大学情報理工学部の教授、徐剛(じょごう)氏が2000年に立ち上げたベンチャーだ。産学官の連携に力を入れている立命館大学においても、大学に認められた教員ベンチャーの第一号だったという。徐社長が起業に踏み切ったのは、「もっと刺激的なチャレンジがしたい」という思いからだった。
「私は1983年に中国から日本に留学し、3次元モデリングの研究をしていました。1998年頃、私の研究成果を、ある企業が製品化したんです。それを目の当たりにして、自分のやっていることがビジネスになるんだと実感しました。それが起業のきっかけです。大学教授として一生を終えるのは、面白くないと思ったんですよ」
起業して気付いた「ニーズ」
起業したのは2000年、ネットバブルの時代だった。徐社長は自らの技術を、インターネット上に表示されたCGを、三次元で捉えることに活かすのを考えていた。
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