「常に10年後を見る」 伊江島に学ぶ、成長し続ける離島の条件

民家体験学習泊ビジネスで成功する沖縄・伊江島では、次の10年をにらんだ新産業創造に挑戦、在来品種小麦「江島神力」の商業生産復活にわずか3年で成功した。成長し続ける離島の条件とは。

伊江島に古くから自生する在来品種小麦「江島神力」。3年で商業生産復活に成功した

農家が伊江島小麦生産事業組合を組織し、小麦の生産を担っている

「江島神力」は土産物のほか、パンやケーキの原料としても普及してきた

沖縄本島北部の本部半島から約9kmの海上に浮かぶ伊江島。ここでは来島する生徒を「おかえりなさい」と迎え、離島する際は「いってらっしゃい」と送り出す。

中学・高校の修学旅行生向けに提供する民家体験学習泊は、現在の伊江島で伸び盛りのビジネス。取り組み開始から10余年を経て、年間300校以上、約5万7000人が来島した。経済効果として8億円規模の新たな基幹産業を、島民一丸となって育成してきた。

しかしながら、一見、順風満帆な離島と思われるが、1島1村の雇用を維持、成長させる産業基盤としては決して強いものではない。現在も、高齢化による人口の自然減や、安定した雇用を求める島民の転出に歯止めはかかっていない。また、伊江島には高校がなく、本島の高校に通うために中学卒業と同時に島を出てしまい、過疎化は止まらない。

さらに、既存の基幹産業である農業と漁業も縮小傾向にあり、公共事業の縮小も進んでいる。伊江島が豊かな離島であり続けるには、これだけの成功をもってしても不十分なのだ。

農家から小麦を固定価格で買い取り、安定供給体制を確立した

民家体験学習泊が好調な今こそ次の10年の産業をつくる

「民家体験学習泊が好調な今のうちに、次の10年を支える産業と雇用の創出を模索しなければ」

2012年、伊江島で民家体験学習泊事業を行うTAMAレンタ企画の玉城堅徳社長は、そんな危機感を胸に秘めていた。日本全体での少子高齢化によって、今後、修学旅行生が減少するのは確実だった。

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